この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
平成7年の開館以来、来年4月でちょうど25周年を迎える石川県七尾美術館。これまでの活動で常に大きなテーマとしてきた存在が、能登七尾出身で桃山画壇に大きな足跡を残した絵師・長谷川等伯(1539~1610)です。
郷里が生んだ巨匠である等伯は石川県七尾美術館にとっての重要な柱であり、平成8年より「長谷川等伯展」をシリーズで開催、等伯や「長谷川派」絵師たちの作品や資料など幅広く紹介してきました。そして開館25年の節目となる今年の「長谷川等伯展」は、改めて地元「能登」に着目します。
今から約480年前の天文8年(1539)、能登国七尾に生まれた等伯は幼少時そして青年期を同地ですごしました。当時の能登は畠山氏の統治のもと「能登畠山文化」が大輪の花を咲かせており、豊かな文化的土壌が等伯の成長に少なからぬ影響を与えたと思われます。
その恵まれた環境の中で、養父の長谷川宗清(1507~71)や無分(生没年不詳)といった優れた先達たちの薫陶を受けつつ絵師「信春」としてデビューした等伯。能登や越中(富山県)を主な舞台に絵仏師として活動し、才能を一気に開花させていきました。
その後30歳を過ぎたころに京都に移住したとされますが、現在も当地域に現存する作品からは、等伯が能登滞在時の若年期よりすでに卓越した技量を持ち、その名を近隣に轟かせていたことが窺えます。つまり等伯が後に桃山画壇で大成し得たのは、能登での研鑽が大いに役立ったからといえるでしょう。
この25年間、新しい発見などもあり等伯能登時代の解明はずいぶんと進みました。そこで本展では「能登時代」を中心に「信春時代」作品を展示します。
また無分や宗清、同じく能登生まれの等伯長男・久蔵(1568~93)や弟子とも一族ともいわれる等誉(?~1636)といった能登ゆかりの「長谷川派」絵師たちの作品なども加えて計42点を紹介。近年の研究成果などもふまえながら、等伯と能登との深いかかわりをたどります。
石川県七尾美術館からのお知らせ(5月15日現在)
本来、当館の開館25周年記念特別展として、「長谷川等伯展 ~能登の信春-Thetime of young Tōhaku~」を開催する予定でした。
しかし昨今の「新型コロナウイルス感染症」蔓延の状況に鑑み、展覧会の規模を縮小せざるを得ない事態となりました。同展ご鑑賞を楽しみにされていた皆さまには誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます。
それでも毎年春に「長谷川等伯展」を継続してきました当館としましては、「この時期はやはり等伯展を」という観点から、内容を変更して展示を実施することとなりました。
おかげさまをもちまして平成7年(1995)の開館以来、本年で開館25周年を迎えました当美術館。その間、等伯を主要テーマとして作品や関連史料などの収集を行ってきました。
それで多くの方々のご配慮により、現在当館には等伯や「長谷川派」絵師の作品が、所蔵品12点(うち複製作品5点)と寄託品26点の、計38点が収蔵されています。
つきましては今回、それらの所蔵品および寄託品のうち、27点の作品や資料をセレクトして展示いたします。その内容は等伯の前半生、「信春」と名乗っていた頃の仏画を筆頭に養父の宗清、養祖父との説もある無分、能登ゆかりの「長谷川派」絵師の作品が中心です。いずれも貴重な名品ぞろいであり、それらをとおして彼らに想いをはせていただければ幸いです。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2020年9月19日(土)~2020年10月25日(日)
2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」の影響による施設設備の点検・整備のため、当面の間、臨時休館
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会場 | 石川県七尾美術館 Google Map |
展示室 | 石川県七尾美術館 第1・2・3展示室 |
住所 | 石川県七尾市小丸山台1-1 |
時間 | 9:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 9月23日 ※ただし、9月21を除く |
観覧料 | 一般 500円(400円) 大高生 350円(300円) 中学生以下 無料
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TEL | 0767-53-1500 |
URL | https://nanao-art-museum.jp |
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