この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
O JUNは具体的なモチーフを描く絵画や版画作品に加え、ドローイング(線で描く絵)やパフォーマンスもよく知られています。絵画や版画では、日常よく目にするものがモチーフとして描かれていますが、無表情で不思議なポーズを取る人物や記号のように単純化された物や風景などは、具体的なモチーフが描かれているにも関わらず、幾何学図形や抽象画のような印象を受けることもあります。
また、ガラス板や鉄の額縁で覆われた作品は、絵画は平たいものであり、2次元から出ることはできないと強調するようです。
作品のタイトルには《焚き火》、《匍匐(Hau-co)》、《雑木林》のように描かれた人や物、風景などをただそのまま無機質に表したものがあるかと思えば、《カタルコ》、《ゴジラ、現る!-Rio de La Plata》のように、描かれた形と言葉の関係を探りたくなるようなものもあります。
O JUNは実際に起こった事件や出来事、本などから着想して制作することもしばしばあり、一見あっけらかんとモチーフを描いているように見える作品も、実は様々な物語を含んでおり、描かれたモチーフとタイトルの関係から背後の物語を想像することができるかもしれません。
また、O JUNは主に金属を溶かした手製の描画材「合金ペン」を使ってドローイングを行うパフォーマンスも続けています。時には合金製のヘルメットのようなものを装着してドローイングを行い、描くことは身体を使うことであるということを確かめるようなパフォーマンスも行っています。
タイトルの「まんまんちゃん、あん」は、念仏を意味する大阪、関西方面の幼児言葉です。ただしその音は宗教的行為というよりはむしろ、往年の漫才師の決め言葉や子供時代のたわいもない日常と重なり、ほとんど意味をなさない言葉として、本来の意味から乖離し、意味を空中分解させた音として耳に焼き付いていきます。意味と無意味がユーモラスに宙ぶらりんになっている様は、どこかO JUNの作品とも重なっていきます。
本展では、O JUNのこれまでの油彩画や鉄枠で構成された作品をインスタレーション展示するとともに、手製の合金ペンによる直描きドローイングが滞在制作される予定です。
言葉を介さず、目で見たものを脳につなげるような鑑賞体験は、言葉を超えたところにある絵画の面白さとその深遠を再認識させてくれることでしょう。
◆ O JUN プロフィール略歴
1956 東京都生まれ
1980 東京芸術大学美術学部油画科卒業
1982 東京芸術大学大学院美術研究科油画専攻修士修了
【主な個展】
2014「DaDa児」六本木ヒルズA/Dギャラリー/東京
2013「O JUN―描く児」府中市美術館/東京
2013「夢見る、さんの丞」ミヅマアートギャラリー/東京
【主なグループ展】
2016「DOMANI・明日展・PLUS」アーツ千代田3331/東京
2015「画家の詩、詩人の絵」平塚市美術館/神奈川、碧南市藤井達吉現代美術館/愛知、姫路市立美術館/兵庫、足利市立美術館/栃木、北海道立函館美術館/北海道(-2016)
2014「美少女の美術史展」青森県立美術館/青森、静岡県立美術館/静岡、島根県立石見美術館/島根
【コレクション】
国立国際美術館、東京都現代美術館、カスヤの森現代美術館、岡崎市美術博物館、府中市美術館、高松市美術館
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2016年4月16日(土)~2016年7月3日(日) |
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会場 | 国際芸術センター青森 Google Map |
住所 | 青森県青森市合子沢字山崎152-6 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 |
会期中無休 |
観覧料 | 入場無料 |
TEL | 017-764-5200 |
URL | http://www.acac-aomori.jp/air/2016-1/ |
国際芸術センター青森の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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