この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
日本の現代美術を語るうえで常に重要な位置を占める、高松次郎(たかまつじろう 1936-1998)、若林奮(わかばやしいさむ 1936-2003)、李禹煥(リ・ウファン 1936- )。
三人とも立体と平面という境界を跨いで旺盛に作品を制作・発表しています。そのなかでも、1970年代以降、積極的に「版」による表現に取り組んでいることは注目に値するでしょう。
高松次郎は1980年代末にスクリーンプリントによる連作に取り組みました。版の重ね合わせやインクの色を変え、そこから生まれる形を確認していく作業は、同時期の油彩作品の制作と関連したものと見ることができます。
若林奮は金属による彫刻とともに版画も数多く制作してきました。そのなかには、彫刻作品の一部分である線刻を施した銅板を版画作品の版としたものもあり、従来からの版画という枠組みにとらわれずに制作していたことが窺えます。
李禹煥は今なお継続的に版画を手掛けて発表しています。絵画よりも自分と距離を置くことができ、他者性が入るメディアである版画を中間項と考え、そこで試みたものを絵画に移そうとしている――とも語っています。
このように見ていくと、それぞれが「版」を媒介とすることで、制作についての思索を深化させていったともいえるかもしれません。三人の創造の軌跡を再考する機会ともなる「版」の世界を、お楽しみください。
※本展関連企画の講演会は、すべて手話通訳が付きます。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2020年4月18日(土)~2020年6月7日(日)
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会場 |
世田谷美術館
![]() |
展示室 | 世田谷美術館 1階展示室 |
住所 | 東京都世田谷区砧公園1-2 |
時間 | 10:00~18:00 |
休館日 |
月曜日 5月7日(木) ※ただし、5月4日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円(800円) 65歳以上 800円(600円) 大高生 800円(600円) 中小生 500円(300円)
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TEL | ハローダイヤル:050-5541-8600 |
URL | https://www.setagayaartmuseum.or.jp/ |
世田谷美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

若林奮、《21, 34―VALENCE-7》、1975 年、リトグラフ、WAKABAYASHI STUDIO 蔵 ©WAKABAYASHI STUDIO

李禹煥、《Dialogue 2019 1》、2019年、木版 ©LEE Ufan, Courtesy of Shirota Gallery

高松次郎、《アンドロメダ A-1》、1989年、スクリーンプリント、The Estate of Jiro Takamatsu蔵
© The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

高松次郎、《無題》、1960 年、木版、The Estate of Jiro Takamatsu 蔵
© The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

高松次郎、《日本語の文字》、1970 年、オフセットリトグラフ、The Estate of Jiro Takamatsu 蔵
© The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

高松次郎、《國生み(古事記、日本書記より) 火の誕生》、1984 年、シルクスクリーン、三鷹市美術ギャラリー蔵
© The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

若林奮、《鮭の振動尺 I-A》、1978 年、ドライポイント・エングレーヴィング、WAKABAYASHI STUDIO 蔵
©WAKABAYASHI STUDIO

若林奮、《52 記-22》、1995 年、エッチング・エングレーヴィング、WAKABAYASHI STUDIO 蔵 ©WAKABAYASHI STUDIO

若林奮、《SEVERAL STRATUMS-1》、1991 年、エッチング・アクアチント、WAKABAYASHI STUDIO 蔵
©WAKABAYASHI STUDIO