この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
「人類が存在しないかもしれない5億年後の未来を想像してみよう」CGアーティストの草分けとして70年代から世界を舞台に活躍してきた河口洋一郎はそう言います。
たんなる夢想ではありません。ここに展示されている「5億年後の生命体」は、いずれも形の発生、成長、進化をプログラミングし、一定の法則のもとに数学的にシミュレートされたもの。生きものが辿った5億年の歴史に学び、5億年後の進化の姿を創造したものなのです。
眼に飛び込んでくるのは、時間軸に沿ってうねりゆく〝螺旋の渦〟です。「渦を巻いていない宇宙に生きものはいない。生命のはじまりはぜんぶ渦なんだ」。そう語る河口さんは、自己増殖する「グロースモデル」を駆使して生命の誕生とエネルギーを表現しつづけてきました。
おなじように岡本太郎も生命の誕生とエネルギーを表現した作品を遺しています。1970年の大阪万博の際に太陽の塔内部に設置した《生命の樹》です。40億年にわたる〝生命の時間〟を造形化したものですが、そこに描かれた進化の歴史はクロマニョン人まで。5億年後のいのちを造形化しようとする河口さんの試みは、ある意味でこの《生命の樹》の続編といえるのかもしれません。
岡本太郎記念館 館長 平野暁臣
◆ 河口洋一郎(かわぐちよういちろう)
種子島生まれ。東京大学名誉教授/アーティスト。1976年CGの黎明期よりCG(コンピュータグラフィックス)によるプログラミング造形の研究に着手。数理アルゴリズムにより導き出された技術手法による独自の作品群で世界的注目を集める。インタラクティブアート・ジェモーション(Gemotion)の研究作品は後にVR/ARへの応用やプロジェクションマッピングの世界に多数の優秀な人材を送り出した。
ベネチアビエンナーレ‘95日本館代表作家。またロレアル大賞など、国際賞のグランプリを1980年代から多数受賞。Siggraph’10でアーティストアワードを受賞。2018年にはフランスBNN Prix D’Honneur栄誉賞、さらにSiggraph Academy殿堂入りを果たす(アジア人初)。国内では、2013年に紫綬褒章を受章。文化庁メディア芸術祭ファウンダー、初代総合審査委員長。現在、DCAJ会長、霧島アートの森館長や多数のメディア系大会審査委員長等を勤める。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2019年6月26日(水)~2019年10月27日(日)
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会場 | 岡本太郎記念館 Google Map |
住所 | 東京都港区南青山6-1-19 |
時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
休館日 |
火曜日 ※祝日の場合は開館 |
観覧料 | 一般 620円(520円) 小学生 310円(210円)
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TEL | 03-3406-0801 |
URL | https://taro-okamoto.or.jp/ |
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