この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
北海道の開拓民として、農業に従事しながら絵を描き続けた神田日勝。その作品は、まさに大地を耕すかのように、力強い筆致で描かれています。
愛情をこめて育てた馬を病気で死なせてしまったという、少年時代の記憶が色濃く影を落とす《死馬》。
労働者としての自分と、画家としての自分を重ねあわせ、息が詰まるような閉塞的な空間の中に自らの顔を描いた《一人》
画家として心ゆくまで絵を描きたいと願いながら、農業との両立で、常に葛藤を抱えていた日勝。その内面の不安を描き出したかのような《室内風景》。
神田日勝の作品には、生きることと、描くこととが、ひとつであった画家の、喜びや悲しみ、誇りと苦悩がにじみ出ているようです。
◆神田日勝について
神田日勝は1937年、東京で生まれました。1945年8月、空襲に見舞われた一家は、拓北農兵隊(戦災者集団帰農計画)に応募します。しかし、開拓の困難は並大抵のことではなく、大半が脱落する中、神田一家は苦労して鹿追に定着しました。東京藝大に進学した兄の影響で油彩を描き始めた日勝は、1956年、帯広で開かれた平原社美術協会展に《痩馬》が入選し、画家の道を歩み始めます。それは農業を続けながらの厳しい道でしたが、全道美術協会展、東京の独立美術協会展と活動の場を広げ、高い評価を受けるようになっていきます。農民画家と言われる日勝ですが、同時代の新しい美術の動向にも敏感に反応し、前衛的な試みも行っていました。しかし、新たな境地を踏み出そうとしていた矢先の1970年、病気のために亡くなります。32歳の若さでした。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2020年9月19日(土)~2020年11月8日(日)
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会場 |
北海道立近代美術館
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住所 | 北海道札幌市中央区北1条西17丁目 |
時間 |
9:30~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 9月23日(水) ※ただし、9月21日、11月2日は開館 |
観覧料 | 一般 1,100円(900円) 高大生 600円(400円) 中学生 300円(200円) 小学生以下無料(要保護者同伴)
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TEL | 011-644-6882 |
URL | https://kandanissho2020.jp/ |
北海道立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

《飯場の風景》1963年 神田日勝記念美術館

《晴れた日の風景》1968年 神田日勝記念美術館

《室内風景》1970年 北海道立近代美術館

《馬(絶筆・未完)》1970年 神田日勝記念美術館