この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
日常の自然や風景、身辺の周りにあるものから受けとめたものを絵画表現とする、この見ることと描くことの間を橋渡しするものは何でしょうか。
本展覧会では、見ること、感じることの神秘を問い、それを絵画空間でのみ表しうる独自の表現へと深め続けている7人の作家に注目します。
樹木のある空間を見つめ、紙の裏側から墨を滲ませてその濃淡により描画し、水墨画の伝統から新たな可能性を引き出す浅見貴子。
柔らかい布、硬質な磁器など日常的なモチーフを取り巻く光に注目し、ものの存在を質感でとらえ、描き出す伊庭靖子。
気配や湿り気、植物の香りなど、ふとしたできごとを五感で受け止めてドローイングへとつなげる金田実生。
樹木や風景を描画した上を絵の具で薄く覆い、画面のレイヤーを通じて、イリュージョンと物質感を往還する児玉靖枝。
あるとき、ある場所の光や風をはらむ海や空や街路の情景を、かけがえのないものとしてスケッチし、線と形と色相の響き合いへと置換する津上みゆき。
樹々の間にのぞく果てしない空を、感覚の上に引き寄せる樹木の複雑な構造を通して、画面上に生じる「空間」の不思議を問う日高理恵子。
天空や水中など、大気や水に満たされた大きな広がりを連想させる幻想的な世界を、繊細かつ深遠な色調によって作りだす水村綾子。
彼らの作品は、現実世界と絵画世界の関係性の探究と、新鮮な発見を続けるための意識的で持続的なチャレンジ、この二つがクロスするところに成立しています。
7人の作家たちは、私たち誰もが知る日常の視覚的世界に根ざしながら、見ることの不思議を伝えるそれぞれ独自の絵画表現を通して、世界をみつめる透徹したなまなざしへと誘います。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2019年7月13日(土)~2019年9月16日(月・祝)
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会場 |
群馬県立館林美術館
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展示室 | 群馬県立館林美術館 展示室 2・3・4 |
住所 | 群馬県館林市日向町2003 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 7月16日(火) ※ただし7月15日、8月12日、9月16日は開館 |
観覧料 | 一般 610 (480円) 大高生 300 (240円)
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TEL | 0276-72-8188 (代表) |
URL | https://gmat.pref.gunma.jp/ |
群馬県立館林美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

日高理恵子《空との距離Ⅱ》2002年 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵

浅見貴子《梅に楓図》2009年 東京国立近代美術館蔵

伊庭靖子《Untitled》1998年 群馬県立館林美術館蔵

金田実生《鎮まる夜》2018年 撮影:長塚秀人

児玉靖枝《深韻-雨 三》《深韻-雨 四》《深韻-雨 二》2010年 神奈川県立近代美術館蔵
撮影:木奥惠三

津上みゆき「View-13 thoughts, 2010-12」より《View at 1:23 p.m., 10 Dec., 10-11》2011年 個人蔵 撮影:長塚秀人(Hideto Nagatsuka) Coutesy of ANOMALY

水村綾子《scale》2013年