この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
「自然の研究、自分の芸術への愛情、心の中にあるものを表現したいという欲求が結びつくことで、象徴というのは装飾芸術家のもとに自然と湧き上がるものなのです。」(エミール・ガレ『芸術遺稿集』より)
19世紀末のヨーロッパに登場した新時代の芸術様式「アール・ヌーヴォー」。陶芸、木工家具、そしてガラスという3つの分野でその様式を花開かせたのが、ナンシー出身の芸術家エミール・ガレ(1846-1904)でした。豊かな表現で描かれたモチーフと大胆な形態、そして複雑で情感あふれる色彩は人々を魅了し、ガレは工芸を偉大な芸術の域にまで高めた作家として評価されました。
彼の芸術を支えたのは、自然への愛情と植物学への情熱でした。彼は自宅に世界各国から3000品種近い植物を集めた庭園をつくり、熱心な自然観察に基づいて芸術を生み出しました。また、図鑑のような味気ない描写を嫌ったガレは、詩的な表現によって見る者の心に訴えかけることを目指しました。自然の描写に象徴を付け加えることで彼の作品は一層深みを増し、深遠な世界観までも表現したのです。
本展では世界有数の近代ガラスコレクションを誇る北澤美術館の作品を中心に、ガレのガラス作品の魅力に迫ります。また、同時にオルセー美術館所蔵のデザイン画もご覧いただき、ガレの自然へのまなざしと芸術への情熱を感じていただきたいと思います。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2016年4月24日(日)~2016年6月5日(日) |
---|---|
会場 |
宇都宮美術館
![]() |
住所 | 栃木県宇都宮市長岡町1077 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 5月6日(金) |
観覧料 | 一般 800円(640円) 大学生・高校生 600円(480円) 中学生・小学生 400円(320円)
|
TEL | 028-643-0100 |
URL | http://u-moa.jp |
宇都宮美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿はこちらから。
ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
栃木県で開催中の展覧会
出展作品・関連画像IMAGES

エミール・ガレ 《蜉蝣文鉢》 1900年-1904年 北澤美術館蔵

エミール・ガレ 《脚付杯「ひなげし」》 1900年

エミール・ガレ 《ひとよ茸文花瓶》 1900年-1904年

《花瓶 においあらせいとう》 被せガラス、マルケットリー、手彫り 1900年 北澤美術館蔵

《花瓶 茄子》 黄斑入りガラス、マルケットリー、頸部熔着、手彫り 1900年(1900年パリ万国博覧会出品モデル) 北澤美術館蔵

《蜻蛉文受皿》 スモーク・ガラス、エナメル彩、金彩、金属箔挿入 1878ー1889年 北澤美術館蔵

《花瓶 木立》 被せガラス、マルケットリー、アプリカッション、手彫り、パチネ 1901-1904年 北澤美術館蔵

《花瓶 松》 被せガラス、アプリカッション、手彫り、マルケットリー、本体と台部を熔着、パチネ 1903年頃 北澤美術館蔵

《蘭文八角扁壷「親愛」(カトレア)》 被せガラス、サリッシュール、アプリカッション、手彫り 年記1900年(1900年パリ万国博覧会出品モデル) 北澤美術館蔵