この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
この度金沢21世紀美術館は、今日でもなお視覚中心的な作品が多数を占める中、視覚のみならず、非視覚的な感覚、聴覚・嗅覚をも揺さぶる新たな表現を取り上げ、美術館活動の次なる可能性を探求する展覧会を開催します。
こうした特徴的な表現を、これまでlab.シリーズなど数々の実験的な取り組みを紹介してきたデザインギャラリーで取り上げます。
佐藤浩一(1990-)は、人類学や植物学への関心から、これまで様々な境界線上を曖昧に揺れ動く存在の可能性を考察してきました。「わたし」と「わたしならざるもの」の合間にある、見えないけれど確実にあるその境界を問い、これらの存在がその間で揺れ動きながら共生するこれからを、映像やインスタレーションのみならず、音や香りといった非視覚的なメディウムをも複合的に組み合わせながら表出しています。
本展のタイトル「第三風景」は、風景の進化を自然のみに委ねた空間を指し示すフランスを代表する庭師ジル・クレマンが提唱した概念で、都市の空き地や農村の放棄地・国境地帯など、人間が顧みない、あるいは抑圧している場所を、あえて生物多様性を受け入れられる特権的な場として積極的に評価した言葉です。
様々な要素が複雑に混在し得る第三風景は、これからの私たちの社会における、人と植物の関係性の在り方に示唆を与えるものであるといえるかもしれません。
本展はこの象徴的な言葉を起点に、イチジクの生殖をテーマとした「Mutant Variations」、人工湖をテーマとした新作を含めて、佐藤浩一の現在地を俯瞰します。
◆ 佐藤浩一 (さとう こういち)
1990 年東京生まれ、2019 年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了、現在東京在住。主な個展に「Crepuscular Gardens / 半開花の庭」(Shiseido Gallery、東京 / 2018 年)、主なグループ展に「複雑なトポグラフィー―庭園」(栗林公園、香川 / 2015 年)。主な受賞に第12 回資生堂art egg 入賞(2018 年)、東京藝術大学 ART の力賞(2019 年)、東京藝術大学 杜賞(2019 年)など。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2019年4月6日(土)~2019年9月23日(月・祝) |
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会場 | 金沢21世紀美術館 Google Map |
展示室 | 金沢21世紀美術館 デザインギャラリー |
住所 | 石川県金沢市広坂1-2-1 |
時間 |
10:00~18:00
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休館日 |
月曜日 5月7日(火)、7月16日(火)、9月17日(火) ※ただし4月29日、5月6日、7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開場 |
観覧料 | 無料 |
TEL | 076-220-2800 |
URL | https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1775 |
金沢21世紀美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
講演会・イベント情報EVENT INFORMATION
◆ 佐藤浩一 トーク
展覧会の一足先に、作家自ら作品と制作活動について語ります。
日時:2019年4月5日(金) 18:00~19:00
場所・主催:KUMU 金沢
(石川県金沢市上堤町2-40)
料金:無料
◆ アーティスト・トーク「佐藤浩一 第三風景」
佐藤浩一が作品の前で自らの作品について語ります。
日時:2019年4月6日(土) 14:00~15:00
場所:金沢21世紀美術館 デザインギャラリー
料金:無料
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