この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
横山奈美(1986- )は、日々の生活の中で消耗されていくもの、廃棄されていくものをモチーフに絵画を制作しています。
通常見向きもされない捨てられる運命をもった、いわば主役にならないものを主役にすることで、そのものに本来備わる意味や用途から離れ、これまでとは異なる見え方、横山によれば「そのものが持つ根源的な存在感や美しさ」を提示します。
本展は、近年、横山が精力的に取り組んでいる「愛とは何か」「美とは何か」というテーマと向き合った作品群で構成されています。
愛をテーマに造形されたネオン管を絵画に描いたネオンシリーズは、ネオン管の主役ともいえる美しい光の部分と、裏側で見えないよう隠される器具や配線の部分とを同等に描き出すことで、理想や憧れとともに誤魔化せない、見られたくない部分をも顕在化させます。
また、本展タイトルにも使われた木炭ドローイングのシリーズ作品《LOVEと私のメモリーズ》は、少女とラブという名の犬との思い出をつづった場面が描かれています。人間好みにどんどん品種改良が進む犬が短命であるというニュースをきっかけに、愛犬へと向けられた「愛(LOVE)」について考察します。
横山は、ちまたに流布し、あまりに軽々しく多用される「LOVE」という言葉への疑問や違和感、あるいは複雑で深刻な感情を作品に落とし込むことで、私たちの日常にありふれる「LOVE」という言葉の意味を問いかけ続けています。
本展では約30点の油彩画とドローイングにより、横山の問いかける「LOVE」を通して、物事の本質について探求する機会となるでしょう。
◆ 横山奈美(よこやま なみ)
1986年岐阜県生まれ、茨城県在住。2012年愛知県立芸術大学大学院油画・版画領域修了。主な展覧会に「日産アートアワード2017」(BankART Studio NYK/2017年)、「VOCA展2015 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館/2015年)、「手探りのリアリズム 」(豊田市美術館/2014年)、「Draw the world-世界を描く」(アートラボあいち/2013年)など。主な受賞に、日産アートアワード2017 オーディエンス賞受賞(2017年)、第8回絹谷幸二賞 奨励賞受賞(2016年)など。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2019年4月6日(土)~2019年6月30日(日)
2024年1月1日に発生した地震の影響による施設設備の点検・整備のため、当面の間、臨時休館。詳細は美術館のサイトをご確認ください。
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会場 | 金沢21世紀美術館 Google Map |
展示室 | 金沢21世紀美術館 長期インスタレーションルーム |
住所 | 石川県金沢市広坂1-2-1 |
時間 |
10:00~18:00
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休館日 |
月曜日 5月7日(火) ※ただし5月6日は開場 |
観覧料 | 無料 |
TEL | 076-220-2800 |
URL | https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1773 |
金沢21世紀美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
講演会・イベント情報EVENT INFORMATION
◆ アーティスト・トーク
横山奈美が作品の前で自身の作品について語ります。
日時:2019年5月25日(土) 14:00~15:00
会場:長期インスタレーションルーム
料金:無料
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