この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
本展では、一部の富裕層に独占されたアートを否定し、人種も宗教も性別も凌駕する愛を信じたキース・ヘリングの思想を中村キース・ヘリング美術館のコレクションとともに紹介します。
1980年頃ヘリングがニューヨーク中の地下鉄構内に描き始めた《サブウェイ・ドローイング》は、地下鉄という公共空間での‘落書き’というリスクを伴いながらも、「アートはすべての人のために」という信念のもと約5年間敢行されました。ヘリングは瞬く間にその名を世に広め、地下鉄の利用者をアートの鑑賞者に変えたのです。
米国ペンシルバニア州カッツタウンという小さな町を故郷とするヘリングは、幼少期より父と絵を描き始め、日曜日には家族で教会へ通うという一般的な家庭に育ちました。
アーティストを目指してニューヨークへ渡ると芸術活動の幅を一気に広げ、アトリエでの作品制作以外にも、世界各地に足をのばし、ワークショップや壁画制作を意欲的に行い、子ども病院などの公共施設へ作品を寄贈しました。
また、景気の低迷、人種差別、エイズ感染の拡大など様々な問題を抱えた80年代ニューヨークの混沌とした時代を背景に、ヘリングはエイズ予防啓発や反アパルトヘイト、アフリカ緊急救援基金の展覧会などのために、数多くのポスターを手がけ、時には公共の場で無料配布しました。
社会の束縛や抑圧からの解放と、人間の自由と平等を掲げたヘリング。彼は一貫してアートを媒体に人道主義の最も敬虔にして、勇敢な姿を貫いたのです。
ヘリング芸術を象徴する作品のひとつ《スウィート・サタデー・ナイト》は、1985年にブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージックで、黒人のストリートダンスと社交ダンスの300周年を記念して上演されたパフォーマンスの舞台セットでした。横幅6メートルを超える大画面一杯に黒い線が踊るように描かれています。ニューヨークで最盛期を迎えていたクラブカルチャーの熱気と生命力に溢れ、まさに愛と生きる喜びを表現しています。
僕はアートがプロパガンダであると思わない。アートは魂を解き放ち、想像力を掻き立て、人々がさらに先へ進めるように勇気づけるものであるべきだ。アートは人間を操作するのではなく、祝福する。(1978年10月14日 「キース・ヘリング ジャーナル」より)
◎期間中同時開催
「大山エンリコイサム個展 VIRAL」
中村キース・ヘリング美術館
会期:2019年5月18日(土)〜2019年11月17日(日)
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2019年4月13日(土)~2020年1月13日(月・祝) |
---|---|
会場 |
中村キース・ヘリング美術館
![]() |
住所 | 山梨県北杜市小淵沢町10249-7 |
時間 | 9:00~17:00 (最終入場時間 17:00) |
休館日 |
2019年4月9日(火)~4月12日(金)、 2019年5月15日(水)~5月17日(金) 上記の間は、展示替えのため休館 |
観覧料 | 一般 1,500円 16歳以上の学生 600円 15歳以下 無料 障がい者手帳の提示 600円 団体(20名様以上)1,000円 ※要予約 |
TEL | 0551-36-8712 |
URL | http://www.nakamura-haring.com/blog/1939/ |
中村キース・ヘリング美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿はこちらから。
ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
山梨県で開催中の展覧会
出展作品・関連画像IMAGES

All Keith Haring Artwork © Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection.