5.0
白黒の小さな作品に無限の広がりを感じた
東京新聞に昭和49年頃連載されていた小説の挿絵。いつものカラフルな作風とは違った一面を楽しむことができた。
印鑑までもデザインの一部であり、遊び心にあふれていて、挿絵の場面や意味を考えながら観るのが面白かった。室町時代の人物から星や宇宙まで描かれ、自由でスケールが大きくて独特の鮮烈でインパクトのある世界観が広がっていた。
作品中の直筆の文字が伸びやかで美しくて印象に残った。
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1974〜75年に新聞連載された瀬戸内晴美(寂聴)による時代小説「幻花」のために、横尾忠則が描いた挿絵は、ユニークで謎めいた図像と執拗なまでの精緻な線描によって、観る者に鮮烈なインパクトを与えます。
横尾が自らの「イラストレーションの総決算」と述べるとおり、画面一つ一つに高い緊張感と強度を備えたこれらの挿絵は、横尾の仕事の中でも特筆すべき存在であるといえるでしょう。
横尾は、室町後期を舞台とするこの小説に対して、ストーリーと関係のない現代的なモチーフや、作者である瀬戸内自身の肖像を登場させたり、数回にわたって画面をアニメーションのように徐々に変化させる仕掛けを施したりと、自由な遊び心を随所に散りばめながら、イメージを自在に展開していきました。時には、瀬戸内の原稿よりも横尾の挿絵の方が先に描かれることもあり、本来、文章に従属するはずの「挿絵」のあり方を超えたこれらの挿絵は、それ自体が独立した一つの世界を形作っているといっても過言ではありません。
本展では、横尾のグラフィック・ワークの最高傑作の一つである「幻花」挿絵の貴重な原画全371点を一堂に展示し、その魅力に迫ります。私たちのイマジネーションを刺激する濃密で幻惑的な世界を、ぜひご堪能ください。
会期 | 2015年12月12日(土)~2016年3月27日(日) |
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会場 | 横尾忠則現代美術館 Google Map |
住所 | 兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
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休館日 |
月曜日 ※ただし3月21日(月・祝)は開館、3月22日(火)は休館 ※年末年始・メンテナンス休館 12月31日(木)〜1月15日(金) |
観覧料 | 一般 700(560)円 大学生 550(440)円 高校生・65歳以上 350(280)円 中学生以下無料 ※( )内は20名以上の団体料金
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TEL | 078‐855‐5607(総合案内) |
URL | http://www.ytmoca.jp/exhibitions/2015/12/3-1.html |
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東京新聞に昭和49年頃連載されていた小説の挿絵。いつものカラフルな作風とは違った一面を楽しむことができた。
印鑑までもデザインの一部であり、遊び心にあふれていて、挿絵の場面や意味を考えながら観るのが面白かった。室町時代の人物から星や宇宙まで描かれ、自由でスケールが大きくて独特の鮮烈でインパクトのある世界観が広がっていた。
作品中の直筆の文字が伸びやかで美しくて印象に残った。
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