5.0
仏像は耳の形に注目
大報恩寺という寺にはなじみがなかったのだが、快慶・定慶の仏像に惹かれて訪問。さすがすばらしかった。
一つ目の見どころは十大弟子立像の個性あふれる姿と迫力を堪能。人体のディフォルメとリアリティが光る。
快慶仏を見るたびに自分は「快慶さんは天才やー!」と当たり前のことを思うのである。
彩色が残っておりNHKスペシャルでも紹介されていた金箔を用いた快慶の装飾技術のすごさがしっかり分かった。
ギャラリートークとイヤホンガイドで仏像は耳の形で作者を推測できると聞いて初めて耳に注目してみる。
上に流れているのが快慶の特徴だそうだ。
弟子の手による部分が多いことは決して仏像の芸術的価値を損なうものではなく、工房芸術のすばらしさと快慶の師としての能力、プロデューサーとしての力量を感じることができる。
もう一つの目玉、肥後定慶の六観音菩薩像は写真を撮ることができる。
照明も工夫されており360度色々な角度から鑑賞可能。ぐるぐるぐるぐる。
スペースを贅沢に使う展示でなかなか出られなくなる。
博物館での仏像展示の長所を十二分に味わうことができる。
光背や台が完全な形で残っていることは珍しいそうだ。
全体の配置や構成がとてもよかった。
仏像鑑賞は博物館で見るのとお寺に参拝に行くのとでは見方もこちらの気持ちも変わってくるものなので、次は大報恩寺に参拝し、またこの見事な仏様にお会いしたい。
余談だがグッズ売り場ではフェリシモのセクシー大根さんの限定版、大根焚きポーチも売られている。