5.0
どこまでも神秘的で美しい
エルンストなどシュルレアリスムの影響をストレートに感じるてのひらサイズのコラージュ作品にはじまり、コーネルがデザインした雑誌「View」や「Dance Index」、古書店や骨董品店などで集めたアイテムを詩情豊かに箱内へ配したアッサンブラージュ作品、コーネルの人となりが伝わる日記や友人らと交わした手紙の数々、映像作品で構成される。DIC川村記念美術館ではコレクション展示のコーナーでコーネルの箱作品を目にする機会は度々あったが、この度は20点超えでまとめて鑑賞でき、箱の中の表現のみならず裏側にまで施されたロマンチックなこだわりに胸が高鳴る。蒐集やこだわりにフェティッシュな感覚をちらと覚えたこともあったが、エロスは感じずどこまでも神秘的で美しく、聖なるもののように感じる。映画フィルムを切り貼りしたコラージュ映像や自身監修の映像作品を全て鑑賞すると1時間半を超える。図録は箱入りで3種の図柄から選んでの予約。出来上がりが待ち遠しい。