5.0
超絶技法はバカしか出来ない
テレビ東京の『美の巨人たち』。
長年毎週楽しみに観ている唯一のテレビ番組ですが、その中で知ったのが『超絶技巧』。
そして、『超絶技巧』の専門美術館「清水三年坂美術館」。
一度行ってみたい美術館の一つなのですが、ハルカスにやってくると聞き、京都まで行かずとも・・と言うことで、フェルメール展の後連続で観て参りました。
日本人はアホです。いやバカといっても過言ではない。
ちらしにある、パイナップルとバナナ・・あれは象牙の置物。
剥かれた皮、バナナの繊維、写真には写っていませんがパイナップルの茎の断面まで極めて緻密。
そこまでして南国のフルーツを作る必要があったのだろうか?
現代アーティストの前原冬樹さんの『皿に秋刀魚』・・これ皿を含めて一刻(一本の木材を削った物)。
感心するとか、ため息が出るとかじゃなく・・もう笑うしかない。
ところで、私が三年坂美術館で観たいと思っているのが、二人のナミカワ。
明治の七宝作家、並河靖之と濤川惣輔の作品。
京都で伝統的な有線七宝に拘り、精緻で美麗な作風の並河靖之。
東京で革新的な無線七宝を極め、繊細で優美な作風の濤川惣輔。
同じ時代にこの二人が、東と西、有線と無線の違いはあれど互いに技を競い合い、やがて迎賓館赤坂離宮「花鳥の間」の装飾を巡り競い合った・・というのは「美の巨人たち」で紹介された話。
誰か、これを小説にしてくれ!そして、それをドラマ化して欲しい!
と、切なる思いをむねに秘めておりますが
今回、並河作品12品。濤川作品4品とお会いすることが出来ました。
うーん。いずれも甲乙つけがたい出来。
気分的にはやはり無線ならではの微妙なグラデーションを見せる濤川が良いように思えましたが、絶対並河の方がいい。と思える時もある。そのときの気分がどちらにシンクロするかによって決まりそうです。
他にも「美の巨人たち」で紹介された数々の超絶技巧が。
正阿弥勝義さんの金工『古瓦鳩香炉」。
鳩はいかにも鉄ですが、瓦の再現性が半端ない。
写真で見たときは、古い鉄っぽさを感じたのですが、実際に観るとまるで焼き物のようです。
そして、鳩がねらっているのはおよそ12㎜ほどの小さな蜘蛛。
これも鉄製と言うから驚き。
さらには高橋賢悟さんの細かなアルミ… Read More