この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
本展覧会は、昨年度土佐光起生誕400年を記念して行われた大阪市立美術館での展覧会を端緒とし、和泉市久保惣記念美術館では光起の父にあたる土佐光則を中心に据えて展覧会を構成します。
土佐派と住吉派は、日本美術史上ではやまと絵を制作した画派として知られています。平安時代からつづいてきたやまと絵は、複数の描線を引き重ねて下絵を作り、描こうとする対象の本線が決まると彩色によって余分な描線を塗り込め、最後に彩色の上から主要な輪郭線を書き起こす手法を用います。それを「つくり絵」と呼びます。
桃山時代には時代の要請から濃密な彩色と共に金銀箔を用いる豪華絢爛な画面を現出させました。濃彩や豪華絢爛な画面から脱却し、新たな画風を土佐派に取り入れたのが、平成29年(2017)に生誕400年を迎えた、土佐派中興の祖と呼ばれる土佐光起でした。
光起は彼の画論書である『本朝画法大伝』の中で、「画の要は軽の一字に止むのみ、たとへば真の極彩色也とも軽の意を忘るべからず。」と記しています。
「軽」を第一としたのはやまと絵のジャンルの中で新たな展開を見据えてのことであったと考えられます。それはそれまでのやまと絵の画風に「軽」-言い換えるとすれば軽さに近い感じ-を加えた瀟洒な特徴をもつ絵画への指向です。
また土佐光起の父である土佐光則と肩を並べ画技を磨いたのが、土佐光陳の名を与えられた後の住吉如慶です。如慶は後西天皇の勅命により途絶していた住吉派を再興し、その子具慶とともに絵画制作を行います。幕府の御用絵師となった具慶は、土佐光起と同時代の絵師で、光起の絵画観が住吉派にも影響を与えたことと想像されます。
本展覧会では室町時代のやまと絵から江戸時代初期のやまと絵を通覧し、土佐光則光起父子、住吉如慶具慶父子がもたらしたやまと絵の新たな展開を考えようとするものです。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2018年10月13日(土)~2018年12月2日(日)
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会場 | 和泉市久保惣記念美術館 Google Map |
住所 | 大阪府和泉市内田町3-6-12 |
時間 | 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌平日休館 |
観覧料 | 一般 1,000円 高校・大学生 800円 中学生以下無料
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TEL | 0725-54-0001 |
URL | http://www.ikm-art.jp/tenrankai/2018/03/post-3.html |
和泉市久保惣記念美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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