この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
現在は台北を活動拠点にするリー・キット(李傑/Lee Kit)は、中国への返還(1997年)を経て変貌していく故郷・香港でアーティスト活動をスタートしました。
初期作品のうち、布に絵具で格子柄などを描いた絵画シリーズは、色と柄のある“抽象”絵画でもあれば、日用品としての機能をもった布(=テーブルクロスやカーテン等)という姿・形を備えた“具象”であるとも言え、絵画の概念を広げる革新的な作品群でした。
そして 2013年、ヴェネチアビエンナーレ香港館の屋内外に展開した自在なインスタレーションは、ウォールストリートジャーナル紙が「必見の展示ベスト5」に挙げるなど、国際的な注目を集めていきました。
近年は、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品等を配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れ、欧米アジア各地で発表を続けています。
独特の歴史的背景を持って揺れ動く街・香港を出自とするリー・キットは、アートという開かれた表現を通して自身のあり方を問い、自分が今を生きる世界と向かい合おうとしています。
そして、展覧会を開催する場合、その街、その場所の空気や感情に静かに寄り添い、サイトスペシフィックな作品(=特定の場所に存在するために制作すること)を創り上げるのも大きな特徴です。近年の東京での個展(資生堂ギャラリー、シュウゴアーツ)で発表した作品も、東京の空気や人々から感じ取ったものが根底にあります。
したがって、元は原家の私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後に美術館として40年の時を経ようとしている原美術館は、そのようなリーにとって、これ以上ない時空間であると考えています。リーがここで何を感じ、どのような“絵画”を描くのか、本展はリーの魅力が遺憾なく発揮される機会となります。
◆リー・キット(李傑/Lee Kit)略歴
1978年香港生まれ。2008年香港中文大学美術学部修士課程修了。台北を拠点に、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地で滞在制作を行い、美術館、ギャラリー、アートスペース等での発表を続けている。2013年、ヴェネチアビエンナーレの香港代表。2016年にはウォーカー アート センター(アメリカ、ミネアポリス)とS.M.A.K.(ベルギー、ゲント)において個展を同時開催。2017 年にはパレ ド トーキョー(フランス、パリ)の「Sous le regard de machines pleines d’amour et degrâce」展に参加。日本では、2010年よりシュウゴアーツにて3度の個展の他、2015年に資生堂ギャラリーにて「The Voice Behind Me」展を開催。広島市現代美術館のグループ展「被爆70周年 ヒロシマを見つめる三部作/ふぞろいなハーモニー」(2015年)に参加。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2018年9月16日(日)~2018年12月24日(月・振)
2021年1月11日をもって閉館となりました
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会場 | 原美術館 Google Map |
住所 | 東京都品川区北品川4-7-25 |
時間 |
11:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 9月18日、25日 10月9日 ※祝日にあたる9月17日・24日、10月8日、12月24日は開館 |
観覧料 | 一般 1,100円 大高生 700円 小中生 500円
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TEL | 03-3445-0651 |
URL | http://www.haramuseum.or.jp/ |
原美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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