4.0
人間とは何かを見つめ直す展覧会
二度の世界大戦を経たいま、人間のあり方を根本から問い直し様々な社会的矛盾や不合理と直面する中で生み出された現代美術の人間像を観賞できる。
テーマが「日常の悲惨」「肉体のリアル」「不在の肖像」にわかれ、ジャン・フォートリエ「人質の頭部」、浜田知明「初年兵哀歌」エッチング等からは、戦争の悲惨さや愚かさと強い反戦への思いが伝わり、目を背けたくなる現実がある。アンディ・ウォーホル「マリリン」、内藤礼「死者のための枕」等を観て回り、最後にアルベルト・ジャコメッティの「男」油彩とブロンズがあり、その物憂げな表情は何故だが惹きつけられる。3月には同館内で、悪魔のしるし「わが父、ジャコメッティ」という演劇(再演)もあるので、演劇の方も観てみたいと思う。