コレクション展 2017-4 アーティストの眼

青森県立美術館

  • 開催期間:2017年12月16日(土)~2018年3月4日(日)
コレクション展 2017-4 アーティストの眼 青森県立美術館-1
コレクション展 2017-4 アーティストの眼 青森県立美術館-2
コレクション展 2017-4 アーティストの眼 青森県立美術館-3
『ちいさいおうち』原画 
ミネソタ大学図書館カーランコレクション所蔵
©Aristides Burton Demetrios
石井康治《樹映—冬の景》 ガラス、宙吹き
青森県立美術館寄託 撮影:大堀一彦
小島一郎 津軽地方西北部 1957-58年
ゼラチン・シルバー・プリント 29.6×19.6cm
コレクション展 2017-4 アーティストの眼 青森県立美術館-1
コレクション展 2017-4 アーティストの眼 青森県立美術館-1
コレクション展 2017-4 アーティストの眼 青森県立美術館-1

この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

絵本『ちいさいおうち』の作者、バージニア・リー・バートンの特集展示を行うほか、ガラス作家・石井康治、グラフィックデザイナー・菊地敦己、写真家・小島一郎、デザイナーとしても活躍した彫刻家・成田亨の作品等を紹介します。

◆展示室JIH バージニア・リー・バートン 『ちいさいおうち』をかいたひと

1942年、アメリカで出版された絵本『ちいさいおうち』。小高い丘のうえにたつ「ちいさいおうち」を主人公に、移りゆく時間の流れと広がりを見事に表現した本作は、1954年に日本でも翻訳・出版され、以来、多くの人々に愛され続けています。
この絵本の作者、バージニア・リー・バートンは、多くの名作絵本が誕生した20世紀前半のアメリカ絵本黄金期を代表する作家の一人です。バートンは、生涯に13冊の子どものための本を残しましたが、それらの作品からは、私たちが生きる世界の真の姿を生き生きとした描写によって子ども達に伝えようとする作家の強いエネルギーを感じとることができます。
一方、バートンは絵本作家としてだけでなく、デザイナーとしてテキスタイルやグラフィックの世界でも活躍しました。とりわけ、バートンが近所に住む主婦たちのために始めたデザイン教室を母体として、1941年に結成された芸術集団「フォリーコーブ・デザイナーズ」の活動は、手仕事のあたたかさと作品としての質の高さによって国際的にも知られる存在となりました。
本展示は、『ちいさいおうち』の原画を中心に、絵本のためのスケッチや「フォリーコーブ・デザイナーズ」で制作したテキスタイル、ペーパーワークの作品資料等を紹介しながら、バージニア・リー・バートンという作家の創造と発想の源泉に触れる企画です。

◆展示室L 石井康治:詩・季・彩 - 春を待つ

「色ガラスを用いて自分のイメージを詩のような感じで作りたい。」
石井康治は、1991年、今、県立美術館が建つ場所に程近い、青森市三内に工房を構え、1996年に急逝するまで、この地で精力的にガラスの素材と技法について研究を重ね、青森の四季と風土を彩り豊かなガラス作品にうつし取っていきました。
青森の自然に魅せられた石井の制作は、ドローイングやデッサンなどで自然を写生することからはじまり、工房で熱したガラスを中空の棹に巻き取り、息を吹き込んで膨らませ、そこに選び抜いた色ガラスを溶着させ、イメージしたかたちを作りあげていきます。光と風が織りなす北国の四季から受けたインスピレーションは、繊細な感性と優れた造形感覚、そして確かな手の技に裏打ちされつつ、自然との対話、ガラスという素材との対話を通して作品に結実していったのです。
自らの創作テーマを「詩・季・彩」という言葉で語っていた石井の作品は、彼が愛した青森の四季を謳う一篇の詩のように、私たちに語りかけてきます。石井がガラスで描き上げた四季から、今回は冬をテーマに、多彩な雪の表象とともに春を待つ想いを紹介します。

◆展示室P:菊地敦己 ファッションブランドのためのデザイン

菊地敦己(1974- )は、青森県立美術館のVI(ヴィジュアルアイデンティティー)計画を担当するアートディレクター/グラフィックデザイナーです。美術館全体の体験をイメージとして伝達していくことを意図してデザインされたシンボルマークやロゴタイプ、サイン等は美術館の建物や周囲の環境と調和しながら独自の景色を作り出し、開館以来多くの来館者に親しまれています。
菊地は、美術やファッション、建築などの分野のグラフィックデザインを多く手がける他、グラフィックデザインそのものを考察する作品制作や発表も行っています。
今期の展示では、2つのファッションブランド「ミナ ペルホネン」「サリー・スコット」のために制作されたポスターを紹介します。

◆展示室Q:成田亨 怪獣デザインの美学

成田亨は、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」という初期ウルトラシリーズのヒーロー、怪獣、宇宙人、メカをデザインし、日本の戦後文化に大きな影響を与えた彫刻家兼特撮美術監督です。
武蔵野美術学校研究科に在籍していた1954年、成田は人手の足りなかった「ゴジラ」の製作に参加、そこで円谷英二と出会い、以降特撮美術の仕事も数多く手がけるようになります。1965年、東宝撮影所で円谷英二と再会し、「怪獣のデザインはすべて自分がやる」という条件のもと「ウルトラQ」の2クールから制作に参加、以降「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」までのシリーズに登場するヒーロー、怪獣、宇宙人、メカニック等のデザインを手がけます。放映に際し、「これまでにないヒーローの形を」という脚本家・金城哲夫の依頼を受けた成田は、ウルトラマンのデザインを純粋化という「秩序」のもとに構築し、対する怪獣のデザインには変形や合成といった「混沌」の要素を盛り込んでいきます。
美術家としての高い感性によってデザインされたヒーロー、怪獣は、モダンアートの成果をはじめ、文化遺産や自然界に存在する動植物を引用して生み出される形のおもしろさが特徴です。誰もが見覚えのあるモチーフを引用しつつ、そこから「フォルムの意外性」を打ち出していくというその一貫した手法からは成田の揺らぐことのない芸術的信念が読みとれるでしょう。

◆展示室M:小島一郎 昭和30年代の津軽と下北

大正13(1924)年、青森市大町で、玩具と写真材料を扱う商店の長男として生まれた小島一郎は、青森県立商業学校(現: 青森県立青森商業高等学校)を卒業後、出征。戦後の混乱期を経て、昭和29年頃から本格的に写真を始めます。郷土、青森に生きる人々への深い共感を、覆い焼きや複写の技法を駆使しながら、印画紙に刷り込むようにして力強く焼きつけた写真の数々は、39歳という早すぎる死の後も、展覧会や写真雑誌で取り上げられ、近年その評価は高まり続けています。
日本が高度経済成長を迎えていた昭和30年代、地方の農村から多くの人々が大都市へと流出し、長く続いてきた農村や漁村の暮しは急激な変化の波にさらされることになります。こうした時期、カメラを手に県内を歩き続けた小島の眼差しは、萱葺屋根の家、念仏講に集う人々、農作業に従事する大人たちとその傍らにいた子どもたちなどに向けられていました。そこから生み出された写真の1枚1枚が、その後しだいに姿を消すことになる農村、漁村の共同体の記念すべきポートレートとなっています。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2017年12月16日(土)~2018年3月4日(日)
会場 青森県立美術館 Google Map
住所 青森県青森市安田字近野185
時間 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30)
  • ※6月1日~9月30日 9:00〜18:00
    (最終入場時間 17:30)
休館日 毎月第2、第4月曜日
※この日が祝日の場合は、その翌日
※年末 12月29日~12月31日
※ただし、企画展の開催・展示替えなどにより、臨時休館や休館日の変更等がありますので、詳しくはスケジュールカレンダーでご確認ください
観覧料 一般 510円(410円)
大学生・高校生 300円(240円)
中学生・小学生 100円(80円)
※( )内は、団体割引20名以上
※展示内容により変更する場合があります。
※企画展は別途
  • ※団体での観覧をご希望のお客様は団体申込みの手続きをお願いします。
    団体申込書 (PDF/80KB)
TEL017-783-3000
URLhttp://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/108/

青森県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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『ちいさいおうち』原画 
ミネソタ大学図書館カーランコレクション所蔵
©Aristides Burton Demetrios

石井康治《樹映—冬の景》 ガラス、宙吹き
青森県立美術館寄託 撮影:大堀一彦

小島一郎 津軽地方西北部 1957-58年
ゼラチン・シルバー・プリント 29.6×19.6cm

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