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鳥好きが伝わってきます
鳥類新写図巻の鳥たちは圧巻でした。鳥の仕草、羽の質感など、もしかしたら写真以上に鳥の本質的な部分を捉えているかも…と思わせられます。対照的にデフォルメした鳥のデザインの作品も楽しく、また、国宝の雪松図屏風は松の生き生きとした生命力が強く感じらる素晴らしいものでした。
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国宝 雪松図屏風の新春公開にあわせ、館蔵品のなかから、今回は花鳥、なかでも「鳥」に焦点をあわせた展覧会です。
鳥に関連した茶道具や工芸品、花や鳥が描かれた屏風や掛軸などを展示しますが、特に、渡辺始興筆「鳥類真写図巻」は、全長17m余りの長大な鳥類図巻で、近世の写生図を考える上でも重要な作品として知られています。今回はこの図巻の全図を一挙に展示します。
この鳥類真写図巻を収集したのは、新町三井家の三井高遂(たかなる)氏(1896~1986)ですが、高遂氏は、大正時代に東京帝国大学(現在の東京大学)の大学院で動物学(遺伝学)を修めました。
小さいころからニワトリが好きで、大学での研究も鶏を研究し、卒業後の昭和8年には衣川氏との共著『家禽図鑑』を著しています。また昭和16年から亡くなるまで、全日本チャボ保存協会の会長を務められました。
このほか三井家では北三井家の7代高就(たかなり)(1786~1857)と9代高朗(たかあき)(1837~1894)が、鳥を趣味としており、特に高朗は亡くなったときに400羽以上の鳥を飼っていた記録があり、京都の博覧会に多くの飼鳥を出品した記録もあります。
三井家は概して鳥好きの人が多かったようで、三井家の人が描いた鳥の絵も伝わっています。今回の展示は、三井家の鳥好きを反映した展示にもなっています。
また、最近の新寄贈作品を3点紹介しますが、この中にも渡辺始興の花鳥画が含まれています。
会期 |
2017年12月9日(土)~2018年2月4日(日)
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会場 |
三井記念美術館
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住所 | 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階 |
時間 | 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 但し、12月25日(月)、1月8日(月・祝)、1月29日(月)は開館 年末年始(12月28日~1月3日)休館、 1月9日(火)、1月28日(日)休館 |
観覧料 | 一般 1,000円(800円) 大学・高校生 500円(400円) 中学生以下無料
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TEL | 050–5541–8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.mitsui-museum.jp/ |
4.0
鳥類新写図巻の鳥たちは圧巻でした。鳥の仕草、羽の質感など、もしかしたら写真以上に鳥の本質的な部分を捉えているかも…と思わせられます。対照的にデフォルメした鳥のデザインの作品も楽しく、また、国宝の雪松図屏風は松の生き生きとした生命力が強く感じらる素晴らしいものでした。
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普通のトリの絵や彫刻かとおもいきや、(個人的な)目玉は渡辺始興さんの鳥類図巻でした!!一面にざ~~~っと広げられていて、なんて太っ腹!!な三井さん!!とおもってしまいました。細かく、本当に手描き??とおもってしまうくらい素晴らしいです。近くに写真も展示してあるのですが、本当にソックリ!!で、当時の技術の素晴らしさを実感します。
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