3.0
生涯の画業を見る醍醐味
シュールリアリズムの画家、伊藤久三郎の没後40年を記念した回顧展。
確かに幻想的、精神分析的な絵画が並んで、日本のシュールリアリズムの受容が見受けられるのですが、画業を追うにつれ作風の変化は顕著となり、やがてほとんど抽象といってよいほどの画面構成を見せます。一人の画家が作風を変えることはあるのでしょうが、この変化は、画家が生涯、追及を続けたからでしょう。それがこの展覧会の醍醐味と言っていいでしょう。
また、この美術館は常設展が充実していて、そちらも見ごたえあります。