この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
橋本関雪(1883~1945)は現在の神戸市に生まれ、幼い頃より儒学者の父の影響から漢学に親しみました。
同時に伝統的な日本画の流派である四条派を学び、さらに京都へ出て、一時は竹内栖鳳に入門。後にその門を離れると、他の画家たちとは一線を画し、孤高の中で制作を行い、官展で受賞を重ねるなど、画壇を代表する画家となりました。四条派を基礎としつつ、中国の古典に着想を得た作品も多く、生涯にわたり何度も中国を訪れています。
また、西洋画への関心からヨーロッパも訪問し、古今東西の研究を行うことで、独自の画風を展開しました。
昭和に入ると動物画の名品も数多く遺しており、動物を鋭い観察眼でとらえ、繊細な筆遣いで表した作品は、見る者の心を引き付けます。
本展では関雪の生誕135年を記念して、足立美術館が所蔵する関雪作品が一挙に公開されます。高い技術と深い教養のもとで生み出された関雪の作品をご覧ください。
◆橋本関雪 (はしもとかんせつ 1883~1945)
明治16年(1883)、兵庫県に生まれる。幼少より儒学者の父から漢学を学ぶかたわら、片岡公曠に就いて四条派の手ほどきを受ける。明治36年(1903)、京都に出て、竹内栖鳳主宰の竹杖会に入門。大正2年(1913)、初めて中国を訪問し、同年の第7回文展に「遅日」を発表、二等(一等無しの最高賞)に輝く。その後も何度も中国を訪れ、中国の風物や文学に取材した作品を描き、官展を舞台に活躍。大正12年(1923)、栖鳳との意見の相違から竹杖会を離れた後は、画壇の中で孤高の道を歩む。昭和に入ると動物画に新境地を拓き、「夏夕」「唐犬図」などを発表。昭和9年(1934)に帝室技芸員、翌10年に帝国芸術院会員となる。四条派をはじめ、狩野派、南画などの画風を咀嚼し、精神性を重んじた作品を遺した。
◆主な作品
橋本関雪「唐犬図」「夏夕」「遅日」「玄猿白鶴図」「雨後之朝」他 展示数29点
◆ 本展の見どころ
1 足立美術館の橋本関雪コレクションを全て公開します!
足立美術館の関雪コレクションは29点。生誕135年を記念した本展では、その全てを公開します。これは、これまで足立美術館で開催した関雪展の中で、最も多い出品点数です。関雪が好んで描いた動物画や、中国の風物を描いた作品、一般的に知られる作風とは異なる晩年の作品まで、当館の関雪のコレクションをご堪能ください。
2 官展出品作をはじめとする関雪の代表作が並びます!
関雪は官展(文展や帝展など、政府が主催した美術展覧会)を中心に意欲作を次々と発表しました。足立美術館はこうした出品作のうち、「遅日」(下)「訪隠図」「夏夕」の3点を所蔵し、さらに官展出品作と同趣の作品「唐犬図」(以上3頁)などをコレクションしています。本展は、関雪の代表作が並ぶ、またとない機会です。
3 関雪が愛情を注いだ動物たちに出会えます!
動物画を描くためにたくさんの動物を自宅で飼っていたという関雪。日々、動物と接し、心を通わせながら、その仕草や毛並みなどの特徴を見事に絵に表しました。本展にも馬、牛、猿、犬、猫など、様々な動物が登場します。関雪が愛した動物たちを描いた作品を鑑賞することで、動物へ向けた画家の温かい眼差しも感じられるでしょう。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2018年12月1日(土)~2019年2月28日(木)
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会場 | 足立美術館 Google Map |
住所 | 島根県安来市古川町320 |
時間 |
9:00~17:30
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休館日 |
年中無休 2019年1月16日(水)は新館のみ展示替えのため休館 |
観覧料 | 大人 2,300円(1,900円/1,700円) 大学生 1,800円(1,500円/1,300円) 高校生 1,000円(800円/700円) 小中生 500円(400円/300円) ※( )内団体(20名以上/100名以上)割引 ※本料金で日本庭園や本館・魯山人館・新館で開催中の展覧会などすべてを観覧できます
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TEL | 0854-28-7111 |
URL | https://www.adachi-museum.or.jp/ |
足立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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