この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
ひとり、大阪の地で「反」芸術を貫いた彫刻家・福岡道雄。その全貌にせまる、美術館では初めての大規模個展を開催します。60余年にわたる制作の軌跡を98点の作品でふりかえる、回顧展形式の展覧会です。
福岡道雄は1936年、大阪府の堺市生まれ。戦時中を中国北京、終戦後の少年時代を滋賀県で過ごした福岡は、19歳のころ、大阪市立美術研究所への入所を機に、彫刻制作を本格化させました。地中で生まれる不定形な彫刻〈SAND〉や、地面を這い散らばる〈奇蹟の庭〉など、「彫刻らしさ」を疑ってかかるそれら最初期の作品群で、福岡は早くも世間の注目をあつめています。
その後、「反芸術」的な傾向を強くおびる1960年代には、自らの生活感情を濃密に反映させた作品群〈何もすることがない〉や〈ピンクバルーン〉を発表。さらに1970年代以後は時代の流れに背を向け、いわゆる〈風景彫刻〉や〈文字〉などを黙々と、かつ淡々と手がけることになります。
作品個別のかたちは違えども、福岡はこれまで、一貫して「つくる」のあるべき在り方を問い、彫刻に向き合ってきました。そんな福岡が制作活動に終止符をうったのは、2005年、〈腐ったきんたま〉と題された彫刻群を発表したときのこと。以後、「元・彫刻家」ならぬ「つくらない彫刻家」となった福岡は、いまなお、現在進行形で、制作と生活との接点を探り続けています。
福岡道雄の彫刻家としてのあゆみは、いくつものシリーズを着想しては放棄していく、試行錯誤の連続です。そこから浮かび上がってくるのは、くりかえされる逡巡、「つくる」と「つくれない」とのあいだを揺れ動く、真摯な葛藤にほかなりません。本展覧会は、福岡の彫刻をとおして、「制作」という根本概念についての問い直しをはかる、かっこうの機会となるでしょう。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2017年10月28日(土)~2017年12月24日(日)
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会場 | 国立国際美術館 Google Map |
住所 | 大阪府大阪市北区中之島4-2-55 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 |
観覧料 | 一般 900円(600円) 大学生 500円(250円)
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TEL | 06-6447-4680 (代) |
URL | https://www.nmao.go.jp/ |
国立国際美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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