特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」

山梨県立美術館

  • 開催期間:2017年9月2日(土)~2017年10月22日(日)
  • クリップ数:1 件
  • 感想・評価:1 件
特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」 山梨県立美術館-1
特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」 山梨県立美術館-2
特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」 山梨県立美術館-3
サイロ 1950年 油彩・カンヴァス フランス、個人蔵 ©ADAGP
モーリス・ド・ヴラマンク (1876-1958)
モーリス・ド・ヴラマンク (1876-1958)
特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」 山梨県立美術館-1
特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」 山梨県立美術館-1
特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」 山梨県立美術館-1

この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

激しい色彩表現を特徴とする「野獣派(フォーヴィスム)」の画家として知られるモーリス・ド・ヴラマンク(1876-1958)は、20世紀のフランスで活躍した画家です。フォーヴィスム以後は、セザンヌの芸術を受容することで、落ち着いた色彩と堅固な空間表現を獲得します。しかしながら、同じくセザンヌ芸術から開花したキュビスムをはじめとする同時代の前衛芸術の展開に追従することなく、独自の絵画表現を確立することとなりました。

第一次世界大戦以降、パリの喧騒から離れた地で静かな生活を送る中、村の家々、道、雪景色といった風景や、自宅で目にした花束や静物といった主題について、生涯繰り返し描き続けました。同時代の画家のように幾何学化や、抽象化を追求して新しい表現を追求するのではなく、身近な対象が自身の内に喚起する詩的な感情と向き合い、具象的な絵画として表現し続けたその画業は、佐伯祐三や里見勝蔵といった日本人画家にも大きな影響を与えました。

またヴラマンクは、画家の枠に収まらず、その人生の中で多様な活動を行ったことでも知られる人物です。本格的に画家として活動する以前には、母親の影響で習得したヴァイオリンやピアノの教師として生計を立てる時期がありました。恵まれた体格を活かし、自転車競技者として賞金を稼いだことも知られています。また、自動車の運転を愛し、流れゆく風景を目にすることで、そのヴィジョンを風景画の制作に活かしたとも言われています。とりわけ文筆家としては、画業と平行し、長い期間にわたって旺盛に表現活動を行い、小説や、自伝的な性格の文章を数多く残しました。

本展では、フランス、スイスで所蔵される作品を中心とした約80点を展観し、その画業を辿ります。また、文筆家として残した言葉を絵画作品と対置することで、絵画と言葉によってヴラマンクが紡いだ、孤高の芸術家人生を探ります。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2017年9月2日(土)~2017年10月22日(日)
会場 山梨県立美術館 Google Map
展示室山梨県立美術館 特別展示室
住所 山梨県甲府市貢川1-4-27
時間 9:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日 月曜日 
9月19日(火)、10月10日(火)
※9月18(月)、10月9日(月)は開館
観覧料 一般 1000円(840円)
大学生 500円(420円)
※( )内は20名以上の団体、前売料金、県内宿泊者割引に適用
※高校生以下の児童・生徒は無料
※県内在住65歳以上の方(健康保険証等持参)は無料
※障害者手帳をご持参の方はご本人と介護の方1名が無料
  • ※高校生以下の児童・生徒は無料
    ※障害者手帳を持参の方は本人と介護の方1名が無料
    ※65歳以上は無料(健康保険証等持参)特別展は別途
TEL055-228-3322
URLhttps://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/

山梨県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

フォービズムの固定観念が外れます

いまヴラマンクで単独の展覧会を開く意味は何なのか。
野獣派(フォービズム)なんていまどき流行るのかね、と思いつつ、足を運びました。知らなかった、知らなかった。ヴラマンクのフォービズムらしい絵というのは、比較的短期間に限られており、必ずしも画家としての全生涯が野獣ではなかったのでした。
フォービスムらしからぬ静物画や人物画もあり、画家をひとつのジャンルにおしこめてはいけないことに改めて気付かされます。
もうひとつ驚くのは、執拗に同じテーマを描いているところで、それは村の風景画。
画面の前から奥に向かって道が伸び、その左右には家並み。人物が数人、あるいは自動車が点景のように添えられる。空は陰鬱で、雪の積もっていることもしばしば。そんな風景を繰り返し繰り返し描いており、よくぞ飽きないものだとも思ったり、これはほとんどヴラマンクの心象風景になっているのではないかと思ったり。
あまりまとまって画業を見るチャンスの少なかったヴラマンクの作品をたくさん集め、この画家の印象を変えてしまう展覧会でした。

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サイロ 1950年 油彩・カンヴァス フランス、個人蔵 ©ADAGP

モーリス・ド・ヴラマンク (1876-1958)

モーリス・ド・ヴラマンク (1876-1958)

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