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「鈴木春信展」を鑑賞して来ました!
14日、冷たい雨降る中、千葉市美術館で開催中の「鈴木春信展」を鑑賞して来ました。展示数は約150点、そして同時開催の展示品50点の計200点もの数でした。
それにしても、鈴木春信という絵師は実に素晴らしい豊かな教養と観ている人を喜ばせる技量の持ち主で、そしてどうすればもっとリアルに見せられるかの探求心にも長けた絵師ですね。暦のヒントなるポイントを絵の各所に忍ばせたり、歴史・物語・逸話等の一部を錦絵の見立て絵として表したり、きめ出しという手法で雪などを浮き出したり、空摺りで衣服の微妙な模様を表現したりと、あの小さな絵の中に実に緻密なまでの細工が成されていることに驚嘆の連続でした。ボストン美術館の学芸員も楽しそうに春信の絵の解説をしていましたから、相当に御ひいきにしている様でした。
気が付けば3時間という長時間での鑑賞とはなりましたが、観ていて楽しい作品ばかりで、飽きも来なければ、少しも疲れを感じさせない作品ばかりでしたね。私にとっても一つの展覧会に3時間も費やした展覧会は過去にも、経験がありませんから。
観ている側に、「分かるかな、分からなければ、もっと事前勉強した上で観に来なさいよ」とばかり、春信がほくそ笑んで現代人に訴え掛けている様にも思えました。
この展覧会は間違いなく、今年のベスト5に入いる展覧会であると思います。
また10年後に春信の作品とお会いできればと、今から先がまた楽しみになります。
これも、今まで、そしてこれからも春信の作品を愛し続け、大事にして下さるであろうボストン美術館の皆さんのお陰であると思います。
250年も前の作品が今の時代の人間に、それも日本人のみならず、欧米人にも感動を呼び起こすということは、真の永久不滅な作品であるからでしょう。
本日は久々に、十二分に癒され、満足感に浸った素敵な感動の一日となりました。
「鈴木春信展」は千葉市美術館での開催後、名古屋ボストン美術館、あべのハルカス美術館、福岡市博物館へと巡回します。
是非、皆さんも足を運んでみて下さい!
観ないと絶対に後悔しますよ(笑)。10年後まで待ちますか?