3.0
日本の美意識が薄い紙の中に。
初日に行きました。空いていてゆっくり見ることができました。五島さん館蔵品の中から、写経や古筆などの作品約60点が、「染める」「漉きこむ」「摺る」「撒く」など料紙装飾わるキーワードでピックアップされ、展示されています。重要文化財も多数。展示されている料紙には様々な技術が美しく施されています。その目的は書の魅力をより引き出すためであったり、信仰の証であったりと様々らしいです。古く色褪せながらもこれだけ美しいのですからかつては…。藍色の染料を混ぜて漉きこんだ上に銀の揉箔(金銀箔を揉みくだいて細かくしたもの)を散らしたり、金や銀で界線を引いて金銀の切箔(小さな正方形に切った箔)等を散らしたり、素晴らしい技術と工夫が薄い紙の中に凝縮されています。美しい紙で装った、また美しい文字たちの恋や祈りが、一体どうなったのか、などと思ってしまいます。小さいですが「寸松庵色紙/伝紀貫之筆」綺麗です。出来ればぜひ、根津美術館「はじめての古美術鑑賞/紙の装飾」(7月2日まで)と合わせてみていただきたいです。