この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
生涯でおよそ200点の彫刻作品と、500点に及ぶ建築関連作品を手がけた多田は、美術館という枠にとどまらず、公園、駅、市庁舎、ホテル、劇場など、都市のさまざまな場所に作品を残し、長年にわたり人々の生活空間の一部を形つくってきました。空に向かってすらりと伸びていくようなステンレスの彫刻や、自然の景観に心地よく馴染むガラスやアクリルの彫刻、あるいは色とりどりの光を内包する「光壁」など、その表現は素材・スケールともに多岐にわたります。
多田は、高度経済成長期を背景に普及した工業素材や加工技術を、芸術表現に積極的に取り入れた先駆的作家のひとりです。制作の手跡を感じさせない無機質な表面に、光の反射や透過、屈折、揺らぎといった有機的な要素を取り込み、移ろいゆく周囲の環境や鑑賞者の動きと呼応して表情を変える造形を生み出してきました。これらの試みは、量塊性や安定性を重視するアカデミックな具象彫刻の規範から離れ、空間や環境との関係性を志向した、戦後の抽象造形における展開に位置づけられます。なかでも多田は、光を単なる効果ではなく造形の中心として据え、美術、プロダクトデザイン、インテリア、建築を横断しながら空間そのものに働きかける実践によって、同時代の潮流のなかでも独自の立ち位置を築きました。
こうした仕事は、新しい素材や技術に対する鋭い感受性と探究心、そして協働者である技術者との確かな信頼関係によって実現されました。その根底には、人間にしか創出できない美としての「第二の自然」を探究する姿勢が貫かれています。
本展では、多田美波研究所の全面的な協力のもと、初期の絵画、各時代の彫刻、作家本人が「光造形」と呼んだシャンデリアを含む照明の作品、およそ70点に加え、建築造形のパーツ、写真、スケッチなどのアーカイブ資料を展観し、約70年にわたる多田美波の仕事をあらためて俯瞰します。
開催概要EVENT DETAILS
| 会期 | 2026年8月29日(土)~2026年12月6日(日) |
|---|---|
| 会場 |
東京都現代美術館
|
| 展示室 | 企画展示室 B2F |
| 住所 | 東京都江東区三好4-1-1 |
| 時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
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| 休館日 |
月曜日、9月24日、10月13日、11月24日 ※9月21日、10月12日、11月23日は開館 |
| 観覧料 | 一般 1,600円(1,280円) 大学生・専門学校生・65歳以上 1,100円(880円) 中高生 640円(510円) 小学生以下 無料
|
| TEL | 03-5245-4111 (代表) |
| URL | https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/Tada-Minami/ |
東京都現代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES
《Mirage》1989 陶板、ステンレス 多田美波研究所蔵 撮影:多田美波研究所
《座標》2009 ステンレス 多田美波研究所蔵 撮影:末正真礼生
《周波数37306505》1965 アクリル樹脂、アルミ、鉄 東京都現代美術館蔵 「MOTコレクション Eye to Eye-見ること」(2024)展示風景 Photo: Masaru Yanagiba
《炭鉱》1957 鉄 炭労会館(1990年夕張市 石炭博物館に移設)撮影:多田美波研究所
《周波数373055MC》1963 アルミニウム 多田美波研究所蔵 撮影:野堀成美
光造形 1968 ガラス、金属 皇居・新宮殿、東京 撮影:野堀成美
光壁《黎明》1970 ガラス、金属 帝国ホテル、東京 撮影:作本邦治
光造形《瑞雲》1973 クリスタルガラス、ボールチェーン リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション 撮影:作本邦治
《Space Eye No.4》1975 アクリル 多田美波研究所蔵 撮影:多田美波研究所

