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イブ・スパング・オルセン
イブ・スパング・オルセンの名前は「つきのぼうや」で初めて知りました。
お月さまが、池の中のもうひとりお月さまとともだちになりたくてつきのぼうやにたのんで連れてきてもらおうとします。
イブ・スパング・オルセンの絵はいわさきちひろと正反対の線を持っているのに、なぜか同じような雰囲気を醸し出しています。
お話のラストでクスッと笑えたら、しあわせな人なのかもしれません。
ずっと、ちひろ美術館に行きたかったけど、初めて行くのは晴れた若葉の季節がいいなあと思って機械を待っていました。アンデルセンといわさきちひろ、それにイブ・スパング・オルセン。やさしい風が吹くような3人の作品は、どれも穏やかで、けれども淋しさがオブラートにくるまれて隠れているような気がします。
ディッケンズの「クリスマスキャロル」に出てくる過ぎた時の亡霊のようだなあと博物館の居心地のよいソファに腰かけながら考えていました。