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猛暑の中涼みながらでも、仏様の還俗や脇侍たちを知ることの出来る特集展示です
今回の特集展示は、ちょっと変わった視点で、仏の傍らに居て仏に仕えその教えを助けるものたち、「脇侍」や「眷属」にスポットを当てたものでした。なかなか面白かったです。像は福島県会津の寺に伝来したものということで、今までにも何度となく見たことのあるとても知的な《梵王身像(法用寺旧蔵)(観音菩薩が33の姿に変化したうちのひとつ)》の他、早稲田大学會津八一記念博物館所蔵(如法寺旧蔵)(森靖コレクション)の6躯が紹介されていて、小さいながらもとても良い像でした。顔面をお面の様に取り外した像があり、玉眼が施され、中に直接墨書きされている様子などをも見ることが出来ます。他の5体も普通に観ただけでは全く分からないけれど、そう思ってよくよく見れば顔面が同じようになっていると思えました。6体以外は写真で紹介されていました。会津八一博には他もあって、時には展示されたりするのかな、と思ってしまいました。またこのお寺鳥追観音如法寺さん、仁王像が町指定重要文化財に登録されたとかで、何時か機会があったら行ってみたい、などとも思ってしまいました。展示に戻ってまた、「脇侍」や「眷属」として仏画で「准胝観音像」「俱利伽羅不動明王像」「弁才天十五童子像」「青面金剛像(街中で結構見かける身近な庚申様)」などが紹介され、更に、《仏涅槃図》や《日吉山王十禅師曼荼羅図》には、仏に仕える動物の姿も描かれ、仏教における多様な随侍のあり方が示されていました。時にユニークなポーズを見せたり、時に感情を露わにする様の彼らは、私たち一般人が共感できる魅力にあふれていますよね。今回私はめずらしくしっかり時間をとれたので、2階の曼陀羅の細かな解説をゆっくり観させて頂き、なかなか楽しめ、ちょっぴり笑いながらもとても勉強にもなりました。3階も、ガンダーラ美術と常設展示にもなっている運慶の大日如来像について、シアター2作品を見させて頂きました。とてもクオリティーの高い作品だと思います。無料でまた素晴らしい環境のシアタールームを、正面中央に座りほぼ独り占め状態で楽しませていただきました。酷暑の中でも駅前ですから、お時間のある方は是非、行ってみて頂きたいと思いました。