この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
古来よりわが国は大陸文化に倣い、仏教や律令を取り入れて発展してきました。遣唐使を停止した後も、大陸との交流を続けながら和様化の道を進み、日本独特の情緒を表す和歌やひらがなが誕生して、日本の美意識の代名詞もといえる王朝文化が花ひらきました。この文化は武家が台頭する世を迎えて影を落としますが、絶えることなく受け継がれて再び太平の世の到来によって憧れへと変容しました。
本展では、MIHOMUSEUM所蔵の『ひぐらし帖』を同館で初めて公開します。『ひぐらし帖』はすぐれた鑑賞家であった吉田丹左衛門によって、元は手鑑としてつくられたものでした。手鑑とは主に名筆の断簡を集めて冊子様に仕立てたもので、書の道を志す人が手本とします。その後安田善次郎に愛蔵された同帖は、株式会社鉄道工業の社⾧を務めた菅原通済(1894-1981)の手に渡り、氏の所蔵する歌切の中から亡妻の十三回忌に合わせて精選して軸装し、三十一葉の『ひぐらし帖』となしたのでした。古筆切の最高峰とも謳われる「高野切」や、料紙に金銀泥で花鳥文や草花文を描いた「栂尾切」、平安の雅を体現したかのような「石山切」など、名だたる能筆が五・七・五・七・七のみそ・・ひともじ・・・・に因んで三十一幅が収載されています。この『ひぐらし帖』に、MIHOMUSEUM所蔵の工芸品や仏教美術、琳派の源氏物語図屏風、歌仙絵など、平安の貴族文化の誕生から桃山初期に興る王朝文化への憧れがこめられた作品を織り交ぜて展観します。
今なお現代に残る都人の洗練された美の息吹、“風流(みやび)”に思いを馳せていただければ幸いです。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2025年3月15日(土)~2025年6月8日(日) |
---|---|
会場 |
MIHO MUSEUM
![]() |
住所 | 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:00)
|
休館日 |
月曜日 月曜が祝日の場合は翌平日 |
観覧料 | 一般 1,300円 高・大生 1,000円 中学生以下 無料
|
TEL | 0748-82-3411 |
URL | https://www.miho.jp/ |
MIHO MUSEUMの情報はこちらMUSEUM INFORMATION
感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿はこちらから。
ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
滋賀県で開催中の展覧会
出展作品・関連画像IMAGES

石山切 伊勢集 ひぐらし帖収載 平安時代 12世紀 MIHO MUSEUM 蔵

絵因果経巻第四上 奈良時代 8世紀 MIHO MUSEUM 蔵
※会期中展示替えあり

伎楽面 迦楼羅 奈良時代 8世紀 重要美術品 MIHO MUSEUM 蔵

猿投 筆記具 奈良-平安時代 8-9世紀 MIHO MUSEUM 蔵

焔摩天像 平安時代 12世紀 重要文化財 MIHO MUSEUM 蔵
※会期中展示替えあり

石山切 貫之集下 伝 藤原定信筆 ひぐらし帖収載 平安時代 12世紀 MIHO MUSEUM 蔵
※会期中展示替えあり

栂尾切 桂本万葉集断簡 平安時代 11世紀 MIHO MUSEUM 蔵
※会期中展示替えあり

貫之集切 伝 藤原行成筆 平安時代 11世紀 MIHO MUSEUM 蔵
※会期中展示替えあり

小倉色紙 伝藤原定家筆 鎌倉時代 13世紀 MIHO MUSEUM 蔵
※会期中展示替えあり