この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
フランス文学者、文芸評論家、そして当館名誉館長である菅野昭正の最後の著作『小説と映画の世紀』(2021年)を紹介します。
同書で小説と映画というふたつの芸術ジャンルを比較するにあたり、菅野は12編の原作小説と映画作品を選びました。それらはどれも20世紀に創作され、また菅野自身の生きた激動の20世紀を映しだす作品でもあります。トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』、フランツ・カフカ『審判』にはじまり、ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』で幕を閉じる同書は、時代に翻弄される人物や状況が、作品とともにゆるやかな時系列に並べられ、菅野の目を通した20世紀の思想史を私たちに提示しています。
本展では、これら12の作品を映画ポスター等の資料とともに紹介しながら、小説と映画の織りなす世紀に思いを馳せ、過去だけでなく未来にも向けられた菅野の眼差しを追います。展示と上映会、トークイベントなどを通して、小説と映画の関係について考える展覧会です。
◆ 菅野昭正(かんのあきまさ)
1930年、横浜市生まれ。フランス文学者、文芸評論家。東京大学名誉教授。1984年『詩学創造』で芸術選奨文部大臣賞、85年『ステファヌ・マラルメ』で読売文学賞、96年『永井荷風巡歴』でやまなし文学賞、2011年ジョナサン・リテル『慈しみの女神たち』(共訳)で日本翻訳出版文化賞受賞。東京大学・白百合女子大学でフランス文学を講義(教授)。1982年から2004年まで東京新聞などで「文芸時評」を連載、同時代の国内外文学作品を追い続け〈文学〉を探究した(『変容する文学のなかで』全3巻)。2007年から約14年にわたり世田谷文学館館長を務め、2021年4月より世田谷文学館名誉館長。日本芸術員会員。紫綬褒章、旭日中綬章受章。2023年、93歳で逝去。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2024年9月21日(土)~2024年10月20日(日) |
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会場 | 世田谷文学館 Google Map |
展示室 | 1階文学サロン |
住所 | 東京都世田谷区南烏山1-10-10 |
時間 |
10:00~18:00
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休館日 |
月曜日 ※ただし9月23日(月・祝)、10月14日(月・祝)は開館、翌日休館 |
観覧料 | 無料 |
TEL | 03-5374-9111 |
URL | https://www.setabun.or.jp/ |
世田谷文学館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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