この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
武士の魂“日本刀”は、1000年におよぶ歴史のなかで、武器として武人を鼓舞し、美術品としても鑑賞されてきました。近年ブームに沸きながら、しかし道具としても美術品としても身近ではない日本刀。「全部同じに見える」「どこを見ればいいのか分からない」「専門用語が難しすぎる」といったさまざまな疑問やお悩みを徹底的に解決します!
国宝の「手搔包永太刀(てがいかねながたち)」をはじめとする選りすぐりの名刀約30振から、日本刀の主な見どころ―姿・刃文(はもん)・鍛え肌(きたえはだ)の鑑賞や、刀剣の歴史や産地、戦国武将が所持した刀の逸話など、めくるめく刀剣の魅力に迫ります。
◆静嘉堂の刀剣コレクションについて
静嘉堂の刀剣コレクションは、義を見て勇み、弱きを見て救う「武士的実業家」と評された岩﨑彌之助が廃刀令直後の明治10年頃から蒐集を始めたものです。これは彼の蒐集のなかで最も早い時期から行われたもので、刀剣に対し並々ならぬ関心を寄せていたことが分かります。
土佐安芸郡井の口村の地下浪人という低い身分の家に生まれた彌之助は、兄・彌太郎が郷士の身分を得たことにより、高知城下の藩校で勉学にはげみました。その頃抱いた夢は、当時土佐藩の若い武士たちに流行していた「朱鞘の刀」を腰に指すことであったといいます。
維新後の明治2年(1869)、土佐藩大阪商会にいた彌太郎を頼って大阪に出た彌之助は、漢学者・重野安繹の私塾「成達書院」に入門します。ある日、書物のことで他の塾生と口論となり、挙げ句、相手が刀を抜く事態となります。斬りかかる相手の刀に対し、彌之助は腰の刀を抜き合わせて防ぎ、難を逃れました。現在静嘉堂に伝わる彌之助所用の刀の棟には、その時の斬り込み痕が残されています。
彌之助の刀に対する思い入れは、こうした幼い時分の夢や青年時代の事件によって高められていったのです。
静嘉堂文庫には数多くの刀剣に関する書物が収められており、彌之助はここから多くを学んだものと思われますが、なかでも『名刀源秘録』は静嘉堂文庫の蔵書として唯一、彌之助自身の蔵書印が捺されたものとして知られています。
明治時代に宮内省の御剣係をつとめ、彌之助の刀剣蒐集に大きく関わった今村長賀は「岩崎男の蒐集せられし刀剣は幾百千をもって数うべく…」と述べていますが、実際数百振を数えるコレクションであったと考えられます。
現在静嘉堂には息子・小彌太蒐集のものや岩崎宗家からの寄贈品をあわせ、約120振の刀剣が所蔵されています。その中には、国宝1件、重要文化財8件、重要美術品23件が含まれており、とくに「備前物の古刀」(現在の岡山県東部で、平安時代以後・室町時代までに作られた刀剣)が豊富であることが大きな特徴です。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2017年1月21日(土)~2017年3月20日(月・祝)
|
---|---|
会場 | 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内) Google Map |
住所 | 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 ※ただし3月20日は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円 大高生 700円 中学生以下無料
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.seikado.or.jp/ |
静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿はこちらから。
ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
東京都千代田区で開催中の展覧会