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六本木クロッシング2025展 時間は過ぎ去る わたしたちは永遠

会場入口

はじめに.

森美術館で「六本木クロッシング2025展 時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」を見た。本展は森美術館が3年ごとに開催している現代美術展で、通算で8回目の開催となる。今回のテーマは、サブタイトルにもある「時間」だ。参加するのは、日本で活動しているか、もしくは日本にルーツを持つ様々な国籍のアーティスト、全21組。

目に見えない「時間」を、それぞれのアーティストが、どのように表現したのか、気になるものを数点、紹介しよう。


A.A.Murakami ≪水中の月≫

本展のチラシでも大きく紹介されていたので、来場前から気になっていた。実際に見てみると、暗い展示室で白く光る作品が神秘的だ。作品の先端で膨らんだ光のボールは、水(?)を湛えた台の上に落ち、コロコロと転がり、弾ける。光のボールが出てくる様子は生命の誕生を連想させ、弾ける様子は生命の終焉を連想させる。個々の光のボールが存在する「時間」は短いが、間断なく生成される光のボールは、現在から未来へ続く長い「時間」を予感させる。 


展示風景 A.A.Murakami ≪水中の月≫(部分) 2025

和田礼治郎 ≪MITTAG≫

作品越しに、展示室の窓から市街地を一望できる。斜めに置かれた四角形の作品は、上部が少し曇った透明で、下部は琥珀色になっている。作品を見る目線の高さにより、琥珀色の水平線と市街地の地平線との重なり方が変わる。ベンチに座ると、ビル群が琥珀色に染まり、揺らいでいるように見えた。聞くところによると、琥珀色の部分は作品に注がれたブランデーの色らしい。作品を見ているだけで酔っ払いそうだ。


展示風景 和田礼治郎 ≪MITTAG≫ 2025

窓から差し込む陽光が、室内の床や壁を琥珀色に染める。よく見るとブランデーを入れた四角形の部分を支えている台は、ブドウの木をかたどっている。ブドウからブランデーができる時間、都市が発展していく時間、いろいろな時間の物差しが表現されているようだ。もし、窓の外から室内を眺めることができるなら、琥珀色に染まった観客がブランデーの中でフワフワと揺らめいて見えるのだろうか。


展示風景 和田礼治郎 ≪MITTAG≫ 2025

おわりに

その他に気になった作品として、北澤潤の≪フラジャイル・ギフト・ファクトリー≫と、ズガ・コーサクとクリ・エイトの≪地下鉄出口 1a≫、≪地下鉄出口 2≫を挙げておこう。北澤は、第二次世界大戦で日本軍が使っていた戦闘機「隼」(ハヤブサ)をモデルにして、原寸大の凧を制作した。ズガ・コーサクとクリ・エイトは、最寄りの地下鉄の駅の出口を段ボールで原寸大に再現した。北澤は、第二次世界大戦から現代までの時間を、ズガ・コーサクとクリ・エイトは、通勤通学などの日常の時間を表現したのだろう。

現代を基準にして、時間の物差しの距離感は様々だが、多様な質感の時間を意識させてくれる展示だった。


展示風景 北澤潤 ≪フラジャイル・ギフト・ファクトリー≫(部分) 2025



展示風景 ズガ・コーサクとクリ・エイト ≪地下鉄出口 1a≫(部分) 2025

展覧会名 六本木クロッシング2025展 時間は過ぎ去る わたしたちは永遠

会期 2025年12月3日から2026年3月29日

会場 森美術館


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