開催中細川コレクションⅡ 勇姫―幕末維新期を生きた細川家のお姫様―
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福井藩主・松平春嶽に嫁した細川斉護の三女・勇姫。 本展では、ゆかりの品々から、激動の幕末を生きた勇姫の足跡を辿ります。
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熊本県立美術館は、国の特別史跡である熊本城の二の丸公園の一角に位置し、古代から現代美術までを網羅する総合美術館として1976年(昭和51年)3月に開館した。
考古、絵画、版画、彫刻、工芸、書蹟などが収蔵・展示され、なかでも装飾古墳室は、古代の造形美をわが国における「美術の原点」としてとらえた特徴ある施設となっている。
1992年(平成4年)10月、千葉城町に県立美術館分館が開館。2008年(平成20年)4月には「細川コレクション永青文庫展示室」が開館し、熊本ゆかりの永青文庫の名品を常時鑑賞できる。
事業としては、コレクション展、特別展、貸会場展など多彩な展覧会を開催する一方、教育普及活動として子ども美術館(鑑賞とワークショップ)、実技講座、コンサートなどを行う。
熊本県立美術館の建築は、日本を代表する建築家の一人、前川國男氏(1905~1986)の設計によるものである。前川氏は、東京帝国大学(現在の東京大学)工学部建築科を経てフランスに渡り、世界屈指の建築科として名高いル・コルビュジェに師事。帰国後は様々な建築物の設計に携わり、戦前から戦後にかけての日本の建築界をリードした。前川氏が手がけた美術館は、東京都美術館をはじめ全国各地に多数ある中で、熊本県立美術館は前川建築の代表作の一つとして数えられている。
熊本県立美術館は、下記の3つを大きな基軸として体系的なコレクションの形成をめざしている。
(1)日本及び東洋の古美術
古代から近世に至る熊本の美術・文化・歴史の流れを展望できるコレクションの形成を目指す。古代中世の絵画(仏画など)、彫刻(仏像神像)、工芸品(仏教工芸など)、近世の絵画(御用絵師、文人の作品など)、工芸品(八代焼・小代焼など陶磁器、肥後鐔などの刀剣刀装具、漆工皮革染織品)など。主な収蔵作品に、矢野雪叟筆《山水図屏風》(右隻)、葛飾北斎筆《鍾馗図》(今西コレクション)江戸時代後期(19世紀前半)、《瀬戸渋紙手茶入 銘 村雨》(今西コレクション)室町時代末~桃山時代(16世紀)など
(2)日本の近・現代美術
熊本県ゆかりの作家、堅山南風、海老原喜之助、坂本善三、浜田知明、大塚耕二、野田英夫、野田哲也らを中心に、日本の近・現代美術史を体系づけるコレクション、および熊本の近・現代美術史を体系化しうるコレクションの形成を目指す。主な収蔵作品に、堅山南風《霜月頃》大正2年(1912)、海老原喜之助《曲馬》昭和10年(1935)、浜田知明《初年兵哀歌(歩哨)》昭和29年(1954)など
(3)西洋美術
フランスの近代絵画、西洋版画(古典~近代~現代)、近・現代彫刻の作品を核に、西洋美術コレクションの体系化を目指す。ルノワール、ブーグロー、ヴラマンク、ローランサンら近代フランスの画家たちの名作やロダンやマイヨールらの彫刻のほか、熊本県ゆかりの藤田嗣治(レオナール=ツグハル・フジタ)やパスキン、キスリングらのエコール・ド・パリの画家たちの傑作群は、熊本県立美術館の西洋絵画コレクションの基軸をなすものとなっている。
西洋版画の収集にも重点を置いており、デューラー、レンブラント、ゴヤらの古典版画、ピカソやシャガールら巨匠たちの版画、そしてウォーホルやリキテンスタインなど20世紀アメリカ版画まで、5世紀にわたる欧米版画史を体系づけるコレクションとなっている。
主な収蔵作品に、オーギュスト・ルノワール《胸に花を飾る少女》1900年頃、ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《キューピッド》1860年、アルブレヒト・デューラー《メランコリアⅠ》1514年 など。
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