この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
文学作品や作家たちのエピソードには、印象的な食の場面が登場します。
芥川龍之介が夢中になった甲州葡萄、スープ皿に映った富士山を詩にした田中冬二、飯田龍太が贈った甲州の山女魚を絵にした井伏鱒二……。作家の食へのこだわりをさぐると、好き嫌いがあったり、思い出の食べ物があったり……。本展では、文学のなかのおいしいシーンを、直筆資料とともに紹介します。
◆芥川龍之介 山本喜誉司(きよし)宛書簡(末尾部分) 個人蔵
第一高等学校1年の秋、山梨で行われた行軍演習を終えた後、友人の山本へ宛てた手紙。山本は府立第三中学校時代の親友で、後に芥川が結婚する塚本文の叔父。手紙では演習中の様子を伝えた後、追伸には「甲州葡萄の食ひあきを致し候 あの濃き紫に白き粉のふける色と甘き甘き汁の滴りとは僕をして大に甲斐を愛せしめ候」と甲州葡萄に魅了された様子を記している。
◆幸富講寄せ書き(部分) 1969(昭和44)年7月6日付 山梨県立文学館蔵〈寄託資料〉
飯田龍太が甲州の栃代川で釣り上げた山女魚6尾を白焼きにして、東京の幸富講の仲間へ贈った。これを幸富講の人々が賞味した際に寄せ書きをしたため、龍太へ返礼として贈った。「幸富講(こうふこう)」とは、井伏鱒二を中心とする作家、編集者、建築家などの集まり。寄せ書きの冒頭には、井伏鱒二が山女魚の絵を描き、「龍太氏給与の山女魚を食らひ廣瀬三郎君の快復を祝ふ会 井伏鱒二」と記している。
◆飯田龍太「ほうとう」原稿 山梨県立文学館蔵
山梨県の郷土食「ほうとう」についての随想。
◆田中冬二「富士ビューホテルにて」書 山梨県立文学館蔵〈寄託資料〉
河口湖畔の富士ビューホテルでの朝の食卓の場面をよんだ詩。詩集『葡萄の女』(1966年昭森社)に所収。後日、富士ビューホテル敷地の河口湖畔に文学碑が建てられた。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2024年7月13日(土)~2024年8月25日(日) |
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会場 | 山梨県立文学館 Google Map |
住所 | 山梨県甲府市貢川1-5-35 |
時間 |
9:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日、7月16日(火) ※ただし7月15日、8月12日は開館 |
観覧料 | 常設展観覧料で観覧できます 一般 330円(260円) 大学生 220円(170円)
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TEL | 055-235-8080 |
URL | https://www.bungakukan.pref.yamanashi.jp/ |
山梨県立文学館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
講演会・イベント情報EVENT INFORMATION
◆講座(年間文学講座3)「作家が描いた甲州の食あれこれ」
8月12日(月・振休)14:00~15:10
講師:高室有子(山梨県立文学館学芸幹)
会場: 研修室(定員60名)
電話で申し込み受付中。定員になり次第締め切り
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