大正文化を代表する芸術家の一人
彼の作品は大正・昭和のレトロモダンな雰囲気が色濃く反映されているところが素晴らしく、特に少女たちの凛としたまなざしが印象的で、それまでの日本の封建的な時代から、開かれた新しい時代へと移り変わっていくエネルギーを感じました。…readmore
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蕗谷虹児(ふきやこうじ 1898-1979)は、新潟県で生まれ、1913年に日本画家を目指して上京しますが、竹久夢二の紹介で少女雑誌の挿絵を描くようになると、またたく間に時代の寵児となりました。
1925年には本格的に絵を学ぶためにパリに留学し、サロン入選や個展の開催により、画家として活動していくことに自信を深めます。しかし、1929年に生活のために志半ばで帰国。その後は再び少女雑誌の仕事を手がけ、1930年代にかけてモダンな女性像により人気の絶頂を迎えました。流行のファッションに身を包み、強い眼差しを持つ女性像は、近代的なライフスタイルにあこがれる多くの女性たちにとって象徴的なアイコンとして機能したといえるでしょう。
戦後は、童話や絵本の挿絵のほか、アニメーションの仕事にも取り組み、少女向けの仕事から離れて新たな境地を開拓。晩年は、個展を中心に可憐な少女像を発表して変わらぬ人気を博し、1979年に80歳でその生涯を閉じました。1987年には、幼少期を過ごした新潟県新発田市に記念館がオープンし、現在にいたるまで多くの来館者に愛されています。
本展では、少女雑誌の表紙や挿絵の原画、パリ時代の作品、童話や絵本の挿絵の原画、アニメーションの原画など約500点が一堂に会し、およそ60年におよぶ虹児の画業を回顧します。大正から昭和戦前にかけて、文化や芸術が大衆のものとして浸透していく過程で、出版界の花形として虹児が果たした役割がいかに大きいものであったかを感じ取っていただくとともに、戦後の児童文化に残した足跡をご堪能ください。
| 会期 | 2024年10月5日(土)~2024年11月24日(日) |
|---|---|
| 会場 |
平塚市美術館
|
| 展示室 | 展示室Ⅰ |
| 住所 | 神奈川県平塚市西八幡1-3-3 |
| 時間 |
9:30~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
| 休館日 |
月曜日、10月15日(火)、11月5日(火) ※ただし、10月14日、11月4日は開館 |
| 観覧料 | 一般 800円(640円) 高大生 500円(400円) 中学生以下 無料
|
| TEL | 0463-35-2111 |
| URL | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/ |
| 割引券 | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/info3.html |
彼の作品は大正・昭和のレトロモダンな雰囲気が色濃く反映されているところが素晴らしく、特に少女たちの凛としたまなざしが印象的で、それまでの日本の封建的な時代から、開かれた新しい時代へと移り変わっていくエネルギーを感じました。…readmore
4.0
童話や絵本の挿絵も描いていて 日本の物語だけではなく アラビアンライトなど世界のお話の挿絵も描いていて 多岐にわたる活躍が見られました
戦争画もチラッとあって もう二度とこのような作品を描かねばならない世の中にはなってほしくない
色付きの作品も良かったけれども やはりモノトーンの作品が抜きん出ていると思いました
皆 容姿端麗で宝塚スターのようです
小品ですが<貝の首飾り>が良かったです
出口を出たら 紹介ビデオが流れており
先日 お亡くなりになった高階さんも解説しておられました
私の中で 大正浪漫の作家では 小林かいちが一番ですが それに迫る作品群でした
とても良い展覧会でした
4.0
竹久夢二ほどナヨナヨせず高畠華宵ほどすましていず、丁度よい甘さの蕗谷虹児。
貧困に苦労が絶えず、せっかく画家としてパリでの成功も諦めて家族の為に帰国し挿絵画家に逆戻り。
しかし、当時の女性にはその挿絵や表紙絵が絶大な人気になろうとは本人はどう思ったのたろう。
夢二は亡くなり華宵は廃れ中原淳一の様な新しい流行りにも負けることなく第一線で絵を描き続けたのは素晴らしい。
戦後のアニメーションに深く携わっていた事には驚いた。
会場一階ホールではアニメーション「夢見童子」が上映されている。
昔の東映動画そのものだ。
450を超える作品が並び平日で空いていたのでじっくり鑑賞出来た。
昨今、この時代がもてはやされている。美しい白黒の世界を堪能してほしい。
4.0
インク描画の緻密さと工夫された構図が素晴らしかった 。竹久夢二に似た雰囲気を引き継ぎつつ、デザイン性を高く感じた。絵本画も含め展示点数が多く見応えがあった。
4.0
バラエティに富んでるなあ
「燃えない蠟燭」の耽美差が印象深い
少女の煌びやかな世界観から童話に戦中の軍人カット
イラストに挿絵に絵画と
どの時代のモノも世界観が確立していてものすごく楽しい
少女画報の表紙や絵本のイラストがいいなあ
レトロでアンニュイで何とも言えない艶っぽさがある
やや混んではいたけど非常に楽しい展示だった
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