この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
本展は、ガラス作家・大平洋一(おおひらよういち 1946-2022)を紹介する、国内初となる大回顧展です。
小説を通してガラスに惹かれた大平は、華麗なるガラス芸術で名高いヴェネツィアに魅了され、作家となることを目指して26歳の時に渡欧します。500年以上の栄華を誇るヴェネツィアン・グラスの伝統と歴史の厚みに圧倒された大平は、自ら考案した作品の構想を元に、巨匠たるガラス職人との協働作業で作品を創り上げるスタイルに自身の進むべき道を見出しました。企業デザイナーを経て独立以降は、透明ガラスと不透明ガラスを巧みに組み合わせた意匠によって自身の作風を確立します。
大平は、ローマ時代のモザイク・ガラスに着想を得ながら、東アジア圏に見られる陶磁器や漆器の形を取り入れるなど、西洋の古典的な美の規範と東洋の工芸的な要素を巧みに調和させています。ヴェネツィアン・グラスの歴史を隅々まで吸収した上で、日本とヴェネツィア双方の文化や美意識の融合を目指した大平は、ついにその厚い伝統を乗り越え、普遍的な美しさをもつ独自のガラス表現へと到達したのです。
本展では、国内外のガラス作品約150点を中心に、緻密なスケッチやドローイング、大平が研究のために自ら収集したガラス製造関連資料を併せて展示します。現代ガラスの粋を集めた作品の数々を、ぜひご覧ください。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2024年3月9日(土)~2024年6月23日(日) |
---|---|
会場 |
富山市ガラス美術館
![]() |
展示室 | 2・3階 展示室1-3 |
住所 | 富山県富山市西町5-1 TOYAMAキラリ内 |
時間 |
9:30~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
第1・3水曜日、3月27日、5月8日 ※ただし3月20日、5月1日は開場) |
観覧料 | 一般 1,200円 (1,000円) 大学生 1,000円(800円)
|
TEL | 076-461-3100 |
URL | https://toyama-glass-art-museum.jp/exhibition/exhibition-5873/ |
富山市ガラス美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿はこちらから。
ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
富山県で開催中の展覧会
出展作品・関連画像IMAGES

(左)《モザイク・ガラス「輪」》1996年、(右)《モザイク小ガラス瓶「謝肉祭のマント」》1996年
富山市ガラス美術館蔵 撮影:末正真礼生

《春の目覚め》2002年
Collection of Mr. & Mrs. Hervé Aaron, New York 撮影: Francesco Ferruzzi
Courtesy Barry Friedman Gallery

《風に揺れる黄色の花》1998年
Collection Mr. & Mrs. Hervé Aaron, New York
Courtesy Barry Friedman Gallery

《ゴブレット”野いちご”》1994年、富山市ガラス美術館蔵 撮影:斎城卓

《ゴブレット”カラメアB”》1995年、富山市ガラス美術館蔵 撮影:斎城卓

《溶岩の流れ N. 22》2005年
Collection Barry Friedman, New York
Courtesy Barry Friedman Gallery

《雨の日》 2008年
Collection Giulio Alessandri, Venice

《窓 N.27》 2007年
Collection Barry Friedman, New York

《クリスタッロ・ソンメルソN.49-彫刻》2008年
Collection Barry Friedman, New York
Courtesy Barry Friedman Gallery