4.0
泉屋博古館でアール・デコは珍しい!?
波山の陶片はさぞや美しかったでしょう。梅樹ではなくても蒐めてみたくなる。
波山とステンドグラスの巨匠、小川三知が美大の同期生で弟子入りするあたり出来すぎるほど運命的。
確して出来上がった美しいモザイクの数々。
動物や花の鮮やかな色彩。アール・デコ調の帯留やペンダント、精緻な作りの飾筥など可愛らしい作品が多い。
波山の大支援者であった出光佐三は梅樹も支援し、会社の贈答品として絵皿などを発注している。
出光美術館で波山の展覧会を見ているが梅樹の作品は見た記憶が無い。
アール・デコは好みではなかったのか?
梅樹の展示作品は多くない。
父波山の作品も展示されているが親子共演のランプは台座が波山でその辰砂が眩しい程美しく、可愛らしい梅樹のシェードを引き立てている。
最後の展示室では井戸茶碗の銘品「六地蔵」が目を引く。
また仁清の「唐物写十九種茶入」が仕覆と共にずらりと並び楽しい。
講堂ではニュース映像「さらば日劇」で梅樹の代表作であったモザイク壁画の悲しい運命が紹介されている。鑑賞を勧める。
個人所有作品が多い為か工芸品なのに撮影不可なのが残念だった。