この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
高知県立高知工業高等学校を卒業後、写真家・杵島隆(きじまたかし)に師事した野町和嘉(のまちかずよし 1946-)は、1972年サハラ砂漠への旅をきっかけにアフリカ取材を始めます。その後、過酷な風土を生き抜く人々の営みと信仰をテーマとして、中近東、アジア、南米など世界各国を訪ね撮影を続けてきました。その結果、雄大な自然、厳かな聖地、多彩な遺跡や建造物など、人類と地球の歩みにとってかけがえのない「遺産」を記録することになりました。
そして2016年から2020年まではキヤノンカレンダーのために、地球規模で世界遺産を探訪する旅を続け、スケール感のある作品を撮り下ろします。いまや世界遺産を旅するツアーが数多く企画され、インターネットで簡単に映像を見ることができますが、野町の眼がとらえた世界遺産は、「一度失ったら再現することが不可能な、地球の生態系にとっても普遍的な価値をもつ、人類共通の大切な“宝”」であることを私たちに強くに訴えかけてきます。
さらに、野町は昨年10月に「シベリア収容所1992」を展示して大きな反響を呼びました。一連の作品は、ソビエト連邦崩壊直後という一大過渡期に、それまで“鉄のカーテン”に仕切られ、西側諸国からは窺い知れなかったロシア社会の暗部とそこにうごめく人間模様に肉薄取材したシリーズで、この度のロシアによるウクライナ侵略という理不尽かつ凄惨な現実に触発されたものです。
本展覧会では「地平線の彼方から ― 人と大地のドキュメント」を再構成した作品と、近年の撮影テーマである「世界遺産」、そして30年前に取材した「シベリア収容所1992」の3テーマからなる215点の作品を紹介いたします。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2023年7月8日(土)~2023年9月24日(日) |
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会場 |
高知県立美術館
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住所 | 高知県高知市高須353-2 |
時間 | 9:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 | 一般前売 960円、 一般当日 1,200円(960円) 大学生 850円(680円) 高校生以下 無料
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TEL | 088-866-8000 |
URL | http://moak.jp/ |
高知県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

雨期のウユニ塩原、深さ数センチの水に雲が映りこんだ“天空の鏡”。ウユニ ボリビア 2011年
© Kazuyoshi Nomach

夕日に映える砂丘の谷間を行く少年。カルザス アルジェリア 1972年
© Kazuyoshi Nomach

キャラバン出発前の礼拝。フェザン リビア 1975年
© Kazuyoshi Nomach

ライラトル・カドルの礼拝。コーランがはじめて預言者に啓示されたとされる、断食月27日目の夜の礼拝。
メッカ サウジアラビア 1995年
© Kazuyoshi Nomach

岩窟教会で聖書を読誦する助祭。ラリベラ エチオピア 1997年
© Kazuyoshi Nomach

雌牛の性器に息を吹きこむ少年。性的刺激を与えることで牛は一層ミルクを出す。
ジョングレイ 南スーダン 1981年
© Kazuyoshi Nomach

シベリア収容所 1992 ロシア 1992年
© Kazuyoshi Nomach

シベリア収容所 1992 ロシア 1992年
© Kazuyoshi Nomach

アル-ヒジュル古代遺跡(マダイン・サーレハ)サウジアラビア 1995年
© Kazuyoshi Nomach