この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
定規と縄、シンプルなモチーフが織り成す、新感覚スケールのインスタレーション
この度、霧島アートの森では、鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく物や空間が、別の場所で同時に起きる事象と繋がっているインスタレーション《0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2019–) といった、関わる者の思考を誘発させるような作品を制作してきた美術家・飯川雄大(1981–)の個展を開催いたします。
タイトルの〈デコレータークラブ〉は2007年から継続しているシリーズの作品で、世界中の海に生息し、周辺の環境に合わせて海藻や小石を身につけて姿を変える蟹(Decorator Crab)から着想した名前です。かねてより飯川は、この擬態する蟹を発想の原点に、何かわからないものを見つけた時の驚きを他者に伝えることの難しさや、それと関係なく生まれた解釈、思いもよらぬ誤解をポジティブに捉え、制作してきました。認識と現実の間にあるズレを可視化しながら、その場と鑑賞者の関係を扱った新たな体験を提案します。
本展「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」では、定規と縄をモチーフに新作を発表します。一見、遊びにも思える鑑賞者の身体的行為を取り込み、展示室だけでなく野外広場へと繋がる大規模なインスタレーションを展開。本美術館が開館して以来はじめての試みに挑みます。また、誰かの忘れ物かのような《ベリーヘビーバッグ》(2010–) や、全貌を捉えることのできない大きな彫刻《ピンクの猫の小林さん》(2016–)など、飯川が継続して発表しているユーモアと洞察に満ちた作品も織り交ぜます。コミュニケーションの不完全さや、遅れてやってくる「合点」に着目した飯川の作品は、一つの「できごと」の背後に広がっている多様な可能性や視点を想像するきっかけとなるでしょう。
◆ 飯川 雄大(いいかわ たけひろ)
1981年兵庫県生まれ。現在、神戸を拠点に活動。成安造形大学芸術学部情報デザイン学科ビデオクラスを卒業。2007年から〈デコレータークラブ〉シリーズの制作を始める。鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく物や空間が、別の場所で同時に起きる事象と繋がる《0人もしくは1 人以上の観客に向けて》、誰かの忘れ物かのような《ベリーヘビーバッグ》、全貌を捉えることのできない大きな彫刻作品《ピンクの猫の小林さん》など、鑑賞者の行為によって起きる偶然をポジティブにとらえ、思考を誘発しながら展開する作品を制作している。
https://takehiroiikawa.tumblr.com/
◆ キュレーション
堤 拓也(インディペンデント・キュレーター)
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2023年7月14日(金)~2023年9月10日(日) |
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会場 | 鹿児島県霧島アートの森 Google Map |
住所 | 鹿児島県姶良郡湧水町木場6340番地220 |
時間 |
9:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 ※祝日の場合は翌日休園 ※7月31日(月)、8月14日(月)は臨時開園 |
観覧料 | 一般 1,200円(900円) 高大生 800円(600円) 小中生 600円(400円)
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TEL | 0995-74-5945 |
URL | https://open-air-museum.org/ |
鹿児島県霧島アートの森の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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