この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
さまざまな美術の楽しみ方を体験する「なつやすみの美術館」シリーズ。12回目のゲストは、和歌山県湯浅町出身の美術家・妻木良三(1974‒)氏です。
妻木氏の作品には、波や雲、海岸や山を思い起こさせる柔らかなかたちが、主に鉛筆を用いて描き出されています。それらは具体的な情景というよりも、どこかであり/どこでもない、時間や場所の制限を超えて存在する原初的な世界への入口であるようにも感じられます。
こうした世界へのつながりを、妻木氏は日々ため池のほとりや浜辺を歩くなかで見つける化石や骨、ウニの殻など、さまざまな自然物のなかにも見出します。イメージの源泉としての自然と原初的な世界の共通点。妻木さんが見つけた「はじまりの風景」を和歌山県立近代美術館所蔵品とあわせて紹介します。
◆ 妻木良三(つまきりょうぞう)
1974年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。1998年より鉛筆による絵画を描き始める。東京での活動の後、2008年に和歌山県湯浅町に帰郷、自坊の本勝寺で僧職を務めながら研鑽を重ねる。主な個展に2011年「ZONE」(Onomachi α、和歌山)、2013年「幻標」(梅香堂、大阪)、2020年「穴に絵をならべる」(みなべ町海岸、和歌山)。また2006年「VOCA 展2006」(東京都美術館)、2007年「線の迷宮Ⅱ-鉛筆と黒鉛の旋律」(目黒区美術館)等に参加。1999年武蔵野美術大学卒業制作展三雲祥之助賞、2016年度和歌山県文化表彰文化奨励賞を受賞。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2022年7月5日(火)~2022年9月4日(日) |
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会場 |
和歌山県立近代美術館
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住所 | 和歌山県和歌山市吹上1-4-14 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 7月19日 ※ただし、7月18日は開館 |
観覧料 | 一般 520円(410円) 大学生 300円(260円)
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TEL | 073-436-8690 |
URL | https://www.momaw.jp/ |
和歌山県立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

妻木良三《ZONE Ⅰ》2017‒2022年 鉛筆、紙 個人蔵

アンモナイトの化石(妻木良三さん採集)

ウニやタコノマクラなどの標本(妻木良三さん採集)

妻木良三《untitled》1998年 鉛筆、紙 個人蔵

妻木良三《境現の襞 III》2006年 鉛筆・黒鉛・墨・アクリル絵具、紙 個人蔵

妻木良三《始景 I》2014年 鉛筆、紙 個人蔵

妻木良三《境景 II》2009‒2011年 鉛筆・アクリル絵具・ジェッソ、板 和歌山県立近代美術館蔵

岸田劉生《『天地創造』より 欲望》1914年(1975年刷) 銅版、紙 和歌山県立近代美術館蔵

日和崎尊夫《詩画集『卵』より1. 見つめる・・・》1970年 木口木版、紙 和歌山県立近代美術館蔵