笹口悦民写真展 無言の恍惚

彫刻の森美術館

  • 開催期間:2015年11月21日(土)~2016年2月14日(日)
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-1
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-2
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-3
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-4
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-5
気配
気配とは、誰しもが感じたことのあるもの。であるにも関わらず、目には見えないもの。
それは確かに存在するが、意識を向ければ向けるほど遠ざかる。
無色透明の気配を写真に閉じ込めるのは、技術か、感性か。決して奇跡や偶然ではない。
距離
見るという行為は、対象との距離に無関係ではいられない。
遠い近いという物理的な距離より、むしろ心理的な距離が眼差しの速度を決める。
憧れ、尊敬、共感、畏怖…。見つめるほどに、距離感は失われる。
質量
人や物が秘めている意志や感情の量は、見た目の大きさに必ずしも比例しない。
内側は、想像以上に広く、深く、重い。
そこからあふれ出すエネルギーは、色を持たない。しかし、それは確かに映っている。
透明
透明感とは、不思議な印象だ。何もない虚空であれば、それは透明でしかない。
何かが確かに存在している。そして、それに透明性を感じる。
触れてはいけない。そう思わせる危うさのバリヤこそ、透明感の正体なのかもしれない。
輪郭
目に見えている姿や形が、その対象の本質だとは限らない。
むしろ、目を閉じて対峙したときにしか、正体を現さないこともある。
その美しい輪郭を掴まえるために、カメラは一度だけ瞬きをする。
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-1
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-1
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-1
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-1
笹口悦民写真展 無言の恍惚 彫刻の森美術館-1

この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

笹口悦民は、多くを語らない。物静かな写真家だ。そして、そんな笹口の撮る写真もまた、過剰なメッセージを発してはいない。ドラマチックなライティングを得意とし、多彩な光に満ちている写真でさえ、その佇まいはどちらかと言えば静かで穏やかだ。

熱すぎない。でも決して冷めているわけではない。平熱感とも言うべきフラットな感性によって切り出される世界は、セクシーであると同時にどこかポジティブな空気を静かに放っている。物言わぬ光という言語との対話に、観る者の体温は少し上がる。


このたび彫刻の森美術館では、ドラマチックな表現力で幅広い分野において第一線で活躍する写真家、笹口悦民の世界を紹介する展覧会「笹口悦民写真展 無言の恍惚」を開催いたします。

笹口悦民(ささぐち よしひと 1970年北海道生まれ)は、大学在学中に編集部でのアシスタントを経て、その後、写真家の安部英知氏に師事。1995年に写真家として独立。以後、ファッションや広告の分野を中心に活動の場を広げてきました。その一方で、物語性をはらんだ笹口独特の世界観のある作品も発表しています。その硬質でいながらも滑らかな写真表現は、各方面で高く評価されています。

本展では笹口の写真190点と3点の映像作品を〈気配〉〈質量〉〈透明〉〈輪郭〉〈距離〉の5つのカテゴリーに分けて展示します。写真は2点をつなげて1作品として観ていただきます。

写真と言葉を同時に観ることで、視覚体験は思考に展開されます。タイトルの「無言の恍惚」は、多くを語らない写真家・笹口からのひそやかなメッセージであり、来館者は、笹口の撮影体験を5つの言葉を通して追体験することができます。会場を巡りながら、写真との対話をお楽しみください。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2015年11月21日(土)~2016年2月14日(日)
会場 彫刻の森美術館 Google Map
展示室彫刻の森美術館 緑陰ギャラリー
住所 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
時間 9:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日 年中無休 
観覧料 大人 2,000円(1,800円)
高校・専門・大学生 1,600円(1,400円)
小学・中学生 800円(600円)
  • ※( )内は15名以上の団体料金
    ※障がい者手帳をお持ちの方
    大人 1,000円
    小学生・中学生・高校生・専門学校生・大学生 無料
    介助者1名まで 1,000円
TEL0460-82-1161
URLhttp://www.hakone-oam.or.jp/exhibitions/article.cgi?id=37
割引券http://www.hakone-oam.or.jp/corefiles/ticket.html

彫刻の森美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

彫刻の森美術館 彫刻の森美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する

より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿はこちらから。
ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する

周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
神奈川県で開催中の展覧会

出展作品・関連画像IMAGES

気配
気配とは、誰しもが感じたことのあるもの。であるにも関わらず、目には見えないもの。
それは確かに存在するが、意識を向ければ向けるほど遠ざかる。
無色透明の気配を写真に閉じ込めるのは、技術か、感性か。決して奇跡や偶然ではない。

距離
見るという行為は、対象との距離に無関係ではいられない。
遠い近いという物理的な距離より、むしろ心理的な距離が眼差しの速度を決める。
憧れ、尊敬、共感、畏怖…。見つめるほどに、距離感は失われる。

質量
人や物が秘めている意志や感情の量は、見た目の大きさに必ずしも比例しない。
内側は、想像以上に広く、深く、重い。
そこからあふれ出すエネルギーは、色を持たない。しかし、それは確かに映っている。

透明
透明感とは、不思議な印象だ。何もない虚空であれば、それは透明でしかない。
何かが確かに存在している。そして、それに透明性を感じる。
触れてはいけない。そう思わせる危うさのバリヤこそ、透明感の正体なのかもしれない。

輪郭
目に見えている姿や形が、その対象の本質だとは限らない。
むしろ、目を閉じて対峙したときにしか、正体を現さないこともある。
その美しい輪郭を掴まえるために、カメラは一度だけ瞬きをする。

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

※あなたの美術館鑑賞をアートアジェンダがサポートいたします。
詳しくはこちら

CLOSE

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

ログインせずに「いいね(THANKS!)」する場合は こちら

CLOSE


がマイページにクリップされました

CLOSE マイページクリップ一覧を見る


がお気に入りに登録されました

CLOSE マイページお気に入り一覧を見る


を訪問済みに移動しました

CLOSE マイページ訪問済みイベントを見る

CLOSE

name

参考になりました!をクリックしたユーザー 一覧
CLOSE