この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
「ARTIST FOCUS」の第3回として、高知県南国市在住の写真家、角田和夫の個展を開催します。
幼少より対人関係に悩み、閉じこもりがちで失意に暮れる思春期を過ごした角田は、20歳頃に兄からカメラを譲り受けたことで、外界と関わり合う方法としての写真と出会います。以降、カメラに導かれるようにして、自らの表現と活動のフィールドを押し広げてきました。
本展では、角田が一貫して拠点とする高知の街を、肉眼では見えない光も捉えることができる赤外線フィルムによって写した3つのシリーズに焦点をあてます。暗夜の公園や雑木林を心象風景として切り取った最初期作〈満月の夜〉、叔父の勤めるゲイバーを中心に80年代の歓楽街を写した〈土佐深夜日記〉、そして三十余年を経てパンデミック禍の高知に再びカメラを向けた最新作〈続土佐深夜日記〉によって構成し、独自の抒情性を湛えた作品世界を紹介します。
本展タイトルにある「うつせみ」とは、“この世”、あるいは“この世を生きる人”を意味します。被写体に自身の弱さや孤独な心情を響き合わせることで生み出されるモノクロームの写真には、夜の闇の深さと共に、そこに生きる人々が放つ、力強く眩いまでの光が焼き付けられています。撮影と暗室作業は、自身を癒す“セラピー”だと語る角田の作品を通して、観る人それぞれが今を生きることの手触りを得られる場となれば幸いです。
◆ 角田和夫(すみだかずお)
1952年高知市生まれ、南国市在住。1999年、文化庁芸術家在外研修員としてニューヨークに滞在。以降、撮影のため度々渡米。2002年、第11回林忠彦賞受賞。作品は「パリフォト」「AIPAD」など国際的アートフェアへ出品されるほか、シカゴ美術館、デンバー美術館に収蔵される。主な写真集に、2002年『ニューヨーク地下鉄ストーリー』、同『シベリアへの旅路―わが父への想い』、2014年『土佐深夜日記』などがある。
※ARTIST FOCUSとは・・・ジャンルや年齢を問わず、高知県立美術館学芸員が推薦した高知ゆかりの作家を紹介する展覧会シリーズ
※本展は、一部の作品に性的な表現が含まれています。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2022年10月29日(土)~2023年1月9日(月・祝) |
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会場 | 高知県立美術館 Google Map |
住所 | 高知県高知市高須353-2 |
時間 | 9:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 | 12月27日(火)~2023年1月1日(日) |
観覧料 | 一般 当日 370円(290円) 大学生 260円(200円) 高校生以下 無料
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TEL | 088-866-8000 |
URL | http://moak.jp/ |
高知県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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