この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
戦後の長崎で詩情豊かな作品を描いた洋画家・池野清(1913-1960)の回顧展を開催します。
戦前から独立展と地元の美術展で作品を発表していた池野は、1945年8月9日の原爆投下直後、爆心地付近に入り被爆。戦後は、後遺障害と闘いながら独立展会友として静物や人物を題材に制作を続け、長崎の美術振興にも貢献しますが、1960年に47歳で世を去りました。
池野の没後、友人であった長崎市出身の作家・佐多稲子(1904-1998)は、長編小説『樹影』(講談社、1972 年刊)などに池野をモデルとした主要人物を登場させ、その生と死を、理不尽な暴力への静かな怒りと哀惜を込めて描写しました。そこには、フォルムと色彩を極限までそぎ落とした遺作《木立》と《樹骨》(いずれも第28回独立展出品)も象徴的に登場します。こうして池野の存在は一部でよく知られることになりますが、その生涯や画業の全貌はつまびらかではなく、所在が確認されている作品も多くありません。
長崎県美術館では、開館以来、池野の小規模な展示を二度(2013年と2016年)行い、調査研究を進めながら収集を重ねてきました。本展は、その成果として開催するもので、約30点の油彩やドローイングによって画業の一端を明らかにしようとする試みです。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2021年8月6日(金)~2022年1月23日(日)
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会場 |
長崎県美術館
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展示室 | 常設展示室第 1室 |
住所 | 長崎県長崎市出島町2-1 |
時間 |
10:00~20:00
(最終入場時間 19:30)
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休館日 | 8月を除く毎月第2・第4月曜日 (祝日の場合は火曜日) |
観覧料 | 一般 420円(340円) 大学生・70歳以上 310円(250円) 小中高生 210円(170円)
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TEL | 095-833-2110 |
URL | https://www.nagasaki-museum.jp/ |
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◆レクチャー
「池野清の仕事」
(コレクション・イン・フォーカス第4回)
日時:8月22 日(日) 11:00~12:00
会場:ホール
講師:福満葉子(長崎県美術館 学芸専門監)
定員:30名程度
◎当日受付、聴講無料
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出展作品・関連画像IMAGES

《鳩笛たち》1959年 長崎県美術館

《足を洗う少年》1958年 長崎大学

《木立》1960年 長崎県美術館

《樹骨》1960年 長崎県美術館

《牛と少年》 1958年 長崎県美術館

《貧しき家並》 1954年 長崎県美術館

《丘の集落》 1957年 長崎県美術館