この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
日系移民としてブラジルへわたり、アマチュア写真家として活動後、ブラジル国内で高い評価を得た”知られざる写真の巨匠”大原治雄の日本で初めての大規模な回顧展となります。
過酷な開拓生活の中で、アマチュア写真家として身近な風景をとらえることに歓びを見出した大原の作品は、ブラジル国内で高い評価を得、ブラジル最高峰の写真美術館「モレイラ・サーレス財団」に作品が収蔵される唯一の日本人写真家でもあります。その芸術性に優れた作品群はもちろん、移民としてブラジルへ渡った大原の人生を追体験することにより、多くの日系人たちの歴史をも垣間見ることの出来る貴重な展覧会となります。
大原治雄(おおはらはるお)は、1909年、高知県吾川郡三瀬村(現・いの町)に生まれました。1927年、17歳で父母兄弟らと集団移民としてブラジルに渡り、はじめサンパウロの農園で農場労働者として働き、その後未開拓の地、パラナ州ロンドリーナに最初の開拓者の一人として入植します。
28歳の頃に小型カメラを購入し、農作業の合間に趣味で写真を撮るようになります。独自に研究を重ねながら技術を習得し、次第にカメラに没頭していきます。1951年には、サンパウロの「フォトシネクラブ・バンデイランチ」に入会。国内外の写真展にも出品するようになります。当時はほとんど無名のアマチュア写真家でしたが、1970年代初頭頃から徐々に知られ始め、地元パラナの新聞などで紹介されるようになります。1998年、「ロンドリーナ国際フェスティバル」で初の個展が開催され、大きな反響を呼びます。その後、「クリチバ市国際写真ビエンナーレ」(パラナ州)に第2回(1998年)、第3回(2000年)と連続で紹介され、高い評価を受けました。
1999年、大原は家族に見守られながら89歳で永眠します。2008年、「日本人ブラジル移民100周年」の記念の年に、遺族によりオリジナルプリント、ネガフィルム、写真用機材、蔵書、日記など一連の資料が、ブラジル屈指の写真美術館でありアーカイブである「モレイラ・サーレス財団」(IMS、Instituto Moreira Salles)に寄贈されました。
本展では、IMSのコレクションから、約180点のプリント作品、愛用のカメラ、ブラジルに出発してから60年以上日々欠かさず書いていた日記など関連資料も併せて展示されます。遥かブラジルの地に渡り、家族や仲間たちと切り拓き育て上げた広大な農場、そこで働く農民の日常風景、そして愛する家族の姿をこつこつと穏やかに写した大原の写真から、人々の心に存在する普遍的な人間や自然の賛歌が感じられることでしょう。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2016年4月9日(土)~2016年6月12日(日)
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会場 | 高知県立美術館 Google Map |
住所 | 高知県高知市高須353-2 |
時間 |
9:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
会期中無休 |
観覧料 | 一般 900円(720円) 大学生 600円(480円) 高校生以下は無料
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TEL | 088-866-8000 |
URL | http://moak.jp/ |
高知県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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