5.0
澄川芸術の世界観
喜一先生、横浜展のお祝いを申し上げます。永い間 そりのある形 をテーマにされて 木彫会に新風を起こされて日本の現代美術界に一つの方向をしめされました。その作品の真髄は 素材の中の天性を悟り 自然界の空間のバランスを分析・解明されて、それが木の本質であるがゆえに 無心にして 生命感あふれる芸術空間に昇華された連作でした。作品に漂う清楚な息吹・旋律は遠く飛鳥の時空間に導かれて、法隆寺の五重塔を仰ぐかのような高邁な精神の響きが聞こえてくるかのようです。作品から音も、邦楽のツツミの音が聞こえてまいります。喜一先生の中に流れている血の中にある大和魂の神話の神秘性が表れているのは 誠に素直に自然に面白く現代に語り掛けてくれています。
大きな野外彫刻モニュメントにおいては シンメトカルな形態が基本となっていますが すべてが東洋的な精神から発想されていて都市空間や伝統的な日本庭園の中で 澄川精神である清純さと威厳さと平和の時空間が築かれています。日本文化の輸出・入であった横浜港に囲まれながら澄川芸術を展開・披露することは ふさわしい意義があり 我々同胞としても 大変に嬉しく衷心よりお祝い申し上げます。