5.0
滝口修三と加納光於 展 と 合わせて
シュールレアリスムが平和にどのように貢献したのかをテーマにしてみれば面白いだろう。 吹田文明の版画作品にみられる人間観察は常に戦争反対の意思が強く迫ってくる。無意識の世界の真実は人間の本能を示し 夢と願望を見る。滝口の人的交流はミロをはじめ日本の知識階級のアーチスト達との対話・作品の交換がなされて 戦後の美術の動向を示唆したことは歴史に残るでしょう。人間同士の殺し合いの世界に人間らしく生きるためにどうしても生きるためには、平和への憧れ・夢が必要であったのだ。どの作品にも根底にはそれがあるので シュールレアリスムの芸術作品は 今日にも なくてはならぬ哲学思想であろう。牧歌的にそれを表現しているアーチストに対して加納はそれを神秘的に偶然性の中に生まれた予期せぬ造形空間に魅せられて、独自の世界を築いたのは素晴らしい。