この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
「無限に広がる宇宙に存在する数えきれない星の中でも、色彩豊かで、様々な光や音が響き合う、とびっきりユニークな星、地球に、一人の人間としてボクは生まれた。これはどう考えても、奇跡としか言いようがない」*
1960年代半ば以降、一貫して風や水などの自然エネルギーで動く彫刻を制作してきた新宮晋。彼が生み出す作品は、この「奇跡」にあずかった作家自身の喜びと感動を映し出しています。
風、水、重力、熱、光・・・。
絵を描くことや工作が何よりも好きだった少年時代と変わることなく、目の前に展開する世界に対し常に新鮮な驚きと好奇心をもって向き合う新宮のくもりのない真っ直ぐなまなざしは、我々をとりまき、我々を生かしている様々な要素を照らしています。
そして、彼の動く彫刻たちは、地球の自然環境や宇宙のしくみといった壮大なテーマをうたうのです。風をかたちにとどめる。水の流れをかたちにとどめる。重力をかたちにとどめる。見えないものを見えるようにすること。そのことに作家が覚えるワクワクするような高揚は、作品を見る者にたちまち感染してしまいます。
本展では新宮晋の“現在”を、新作を中心とする15点の作品によりご紹介します。その名も「新宮晋の宇宙船」。展示室はもとよりエントランス、水盤、運河など、長崎県美術館全体が宇宙船へと変貌します。
*新宮晋「この星に生まれて」(本展図録所収)より
◆ 新宮 晋(しんぐうすすむ)プロフィール
東京藝術大学絵画科卒業後、イタリア政府奨学生として 1960年に渡伊。ローマ国立美術学校にてフランコ・ジェンティリーニに師事し絵画を学ぶ。ローマ滞在時に鉄線のフレームにキャンバスを縫い付けた立体作品を発表。
帰国の翌年、1967年に東京の日比谷公園で開催した個展「風の造形」で注目を集め、大阪万博(1970)への出品作家に選出される。1971年にはハーバード大学視覚芸術センターより客員芸術家として招聘されるなど早くから海外においても高い評価を受け、以後、一貫して風や水などの自然エネルギーで動くサイト・スペシフィックな彫刻を制作し、国内外の各所に設置。
レンゾ・ピアノをはじめとする建築家とのコラボレーションも手掛ける。恒久設置の作品制作と並行し、「ウインドサーカス」(1987~90)、「ウインドキャラバン」(2000~01)など多くのプロジェクトやワークショップも世界各地で展開。また、『いちご』(文化出版局、1975)をはじめとする絵本の制作や演劇の企画・演出など、彫刻の世界に止まらない多彩な活動を繰り広げている。2014年、兵庫県立有馬富士公園に 12点の作品を常設する野外美術館「新宮晋 風のミュージアム」がオープン。
現在は2007年に開始したプロジェクト「ブリージング・アース」の実現に向け活動中。自然エネルギーのみで自立する新たな共同体の創生を目指すこのプロジェクトへの取り組みは、ドキュメンタリー映画「ブリージング・アース:新宮晋の夢」(監督:トーマス・リーデルスハイマー、2012)に収められている。
第4回吉田五十八賞(1979)、第18回日本芸術大賞(1986)、第43回毎日芸術賞特別賞(2002)、第20回現代日本彫刻展大賞(2003)、第4回円空大賞(2007)など受賞多数。兵庫県三田市在住。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2016年6月4日(土)~2016年7月10日(日) |
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会場 | 長崎県美術館 Google Map |
住所 | 長崎県長崎市出島町2-1 |
時間 |
10:00~18:00
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休館日 | 6月13日(月)、27日(月) |
観覧料 | 一般 1,000円(900円) 大学生・70歳以上 800円(700円) 高校生 600円(500円) 中学生以下無料
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TEL | 095-833-2110 |
URL | http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/432 |
長崎県美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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