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その時代の空気感を体験できる展示
作品に添えられた作家の心情が綴られている文章が、読んでいるだけでその時代感を受け取る事ができ、作品の理解深めてくれました。涼やかな風を感じる今の季節にぴったりの展示でした。
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荘司福(しょうじふく 1910-2002、松本市生)は、女子美術専門学校師範科日本画部(現女子美術大学)卒業後、結婚して仙台に移り住みます。
夫との死別後、1941年河北新報社が主催する東北美術展(現河北美術展)に初入選し画家として出発しました。
1946年院展に初入選、郷倉千靱の画塾・草樹社の塾員となり研鑽を積むと、次第に院展で頭角を現し、1964年同人に推挙されます。1967年以降、千葉、東京を経て横浜に居を構え、画業の後半生を展開していきます。
作品は、初期の構成的な群像表現から、朽ちてゆく物象のモチーフを経て、1960~70年代には中国やインド、カンボジア、エジプトやケニアなどに取材旅行し、仏教遺跡やオリエントの神々の造形に着想を得て壮大なイメージを展開。さらに自然物や自然景を対象とした根源的な世界観の表現へと移行しました。
荘司貴和子(しょうじきわこ 1939-1979、神戸市生)は、東京藝術大学日本画科を卒業後、高校で教えながら制作活動に取り組みました。1964年から新制作協会日本画部に出品を重ね、1973、74年には春季展賞を受賞して画家として頭角を現します。
1974年に新制作協会を離脱した日本画部会員により創画会が結成されると、1978年まで創画展に出品。1975~78にかけて連続して春季展賞を受賞し、その後の活躍が期待されましたが、1979年腸癌のために39歳という若さで惜しまれながら死去します。
旅先でみた自然や建物をモチーフにしたその抽象的な作品は、簡潔な構成の中に、どこか懐かしさを感じさせる情感と気品を漂わせ、見るものの心に迫ります。
1971年以降、義理の親子として一緒に取材旅行に出かけ、それぞれの違いを認めながら制作に励んだ二人は、互いの才能に尊敬の念をもって相対しました。
本展では、92歳で没するまで人間や自然と真摯に向き合った荘司福と、若くして没したがゆえに広く知られることがなかった荘司貴和子の作品、併せて約50点を紹介します。
会期 |
2019年4月20日(土)~2019年6月9日(日)
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会場 | 平塚市美術館 Google Map |
住所 | 神奈川県平塚市西八幡1-3-3 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 ただし休日の場合は開館し、翌日休館 |
観覧料 | 一般 800円(640円) 高大生 500円(400円)
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TEL | 0463-35-2111 |
URL | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/ |
割引券 | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/info3.html |
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作品に添えられた作家の心情が綴られている文章が、読んでいるだけでその時代感を受け取る事ができ、作品の理解深めてくれました。涼やかな風を感じる今の季節にぴったりの展示でした。
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院展の巨匠荘司福の展覧会は10年ぶりだそうです。初期の人物画から仏像等仏教美術にインスパイアされて制作された個性的な作品群、晩年の風景画と代表作で画業を概観出来ます。東北に取材した作品が良かった。黒の使い方が凄い、黒の画家です。初見荘司貴和子作品は透明感ある色彩の組み合わせが美しい、抽象画ながら叙情性を感じました。
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