この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
2015年(平成27年)は、村井正誠(むらいまさなり 1905〜1999)の生誕110年にあたります。これを記念して、村井が描き続けた、普遍的な「ひとの居る場所」としての絵画と向き合う機会を設けます。
村井正誠は、1905年(明治38年)に岐阜県大垣市で生まれ、和歌山県新宮市で育ちました。村井が少年期を過ごした頃の新宮市では、のちに大正自由教育の一つの象徴となった文化学院を開いた西村伊作の周辺に、石井柏亭、富本憲吉など多くの芸術家が集まり、村井は小学生の頃から生活と制作を共にする彼らの姿を見て画家への憧れを抱きました。
中学卒業後、上京した村井は文化学院大学部美術科で学び、1928年(昭和3年)にフランスに渡りました。そして、華やかなパリ画壇の流行には追随せず、原始美術、中世美術の素朴な表現に共感し、モンドリアンらの抽象芸術に刺激を受けながら、時代を超え、国境を越えて人間の心に響く絵画を探る本格的な制作を始めます。日本の抽象絵画の先駆けとなったそれらの作品は、第二次世界大戦へと向かう不穏な世情のもとですら、変わらない人間の生命の輝きを求め、提示しようとするものでした。
村井はまた作品発表の場として長谷川三郎、山口薫らの友人と共に創立した新時代洋画展、それを発展させた自由美術家協会を創立して、戦前の日本画壇に新しい風を吹き込み、多くの若い作家たちに影響を与えました。
戦後はモダンアート協会を創立し、1951年(昭和26年)第1回サンパウロ・ビエンナーレ展をはじめとする数々の国際展で活躍する一方で、母校文化学院や武蔵野美術大学で教授をつとめています。
より大らかで温かな表現を求めて画風を展開し、1999年(平成11年)に逝去するまで、一貫して人間をテーマに描き続けました。今回の回顧展では、とくに油彩画と並行して制作しつづけた版画作品をあわせてご覧いただきます。村井の油彩画31点、版画49点、素描14点、資料1点の計95点を展示します。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2015年12月18日(金)~2016年2月14日(日) |
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会場 | 和歌山県立近代美術館 Google Map |
住所 | 和歌山県和歌山市吹上1-4-14 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 ※月曜日が祝日又は祝日の振替休日となる場合は開館し、次の平日が休館 ※年末年始(12月29日から1月3日まで) ※展示替え等の期間 |
観覧料 | 一般 510円(410円) 大学生 300円(250円) ※( )内は20 名以上の団体料金
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TEL | 073-436-8690 |
URL | http://www.momaw.jp/exhibit/now/110.php |
和歌山県立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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