この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
1848年、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレイを中心とする若い芸術家たちが、ロンドンで、秘密結社めいたグループ「ラファエル前派」を結成します。
19世紀半ばのイギリスでは、道徳的な意味合いがわかりやすく描写された、物語仕立ての絵画が主流となっていました。ラファエル前派の画家たちは、こうした時代背景のもと、「自然に忠実に」という理念を掲げ、イタリア・ルネサンスの巨匠、ラファエロ・サンティ以前-すなわち15世紀以前のヨーロッパの芸術に立ち返ることを目指します。彼らは宗教的、文学的、また歴史的主題を最大の誠実さと熱意をもって描きだし、自然の形態を可能な限り正確に写し取っていきました。
ラファエル前派の芸術は、それまでのイギリス美術とは全く異なる、画期的なものでした。それゆえ、彼らの前衛的な作品は、美術愛好家や批評家たちのあいだに賛否両論を巻き起こします。また若いメンバー同士の芸術観をめぐる対立が徐々に表面化していき、結局グループとしての活動は、わずか数年足らずで終わりを迎えました。しかし彼らの作品とその理念が、後のイギリス美術に与えた影響は計り知れません。19世紀後半から第一次世界大戦前後に至るまで、ラファエル前派第二世代、第三世代と呼ばれる画家たちが、数多くの優れた作品を生み出しました。
本展覧会は、リバプール国立美術館のコレクションから、ラファエル前派をはじめとする19世紀後半のイギリス美術の潮流をご紹介します。太平洋横断航路の歴史的起点として、またビートルズの故郷としても知られる街、リバプール。大英帝国の盛衰を見守ってきた古都が誇る美術館は、19世紀イギリス絵画の至宝を所蔵するヨーロッパ有数の美術館として、世界的に知られています。なかでも、ラファエル前派のコレクションはその質、量ともに素晴らしく、その多くが門外不出とされてきました。本展覧会の出品作品全65点も、そのほとんどが本邦初公開となります。
ラファエル前派とその理念を受け継いだ芸術家たちが紡ぐ、神話や文学に彩られた幻想的な世界。19世紀後半のイギリスに花開いた「英国の夢」を、この機会にぜひお楽しみください。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2016年3月18日(金)~2016年5月8日(日) |
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会場 | 山口県立美術館 Google Map |
住所 | 山口県山口市亀山町3-1 |
時間 | 9:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 ※ただしファーストマンデー(第一月曜日)の4月4日(月)、5月2日(月)、および3月21日(月・祝)は開館。 |
観覧料 | 一般 1,300円(1,100円) シニア・学生 1,100円(900円) ※シニアは70歳以上の方、( )内は、前売りおよび20名以上の団体料金。 ※18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料。
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TEL | 083-925-7788 |
URL | https://y-pam.jp/ |
山口県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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